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最近、お気に入りの音楽があったのですが、 毎日聴いているうちに、なんだか感動が薄れてきてしまいました。

もちろん、好きであることは変わっていませんが、最初のころはすごく心に響いたのに……と不思議な気持ちになります。

楽しいはずの趣味や遊びも、何度も繰り返していると、だんだんと新鮮味がなくなり、つまらなくなってしまう、という経験をしたことはないでしょうか?

経済学の有名な用語で、「●●の法則」といわれるそうです。

今回は、大好評の書籍『なぜ生きる』から、本文の一部をご紹介します!

苦しみの新しい間を楽しみといい、楽しみの古くなったのを苦しみという

 

「今、楽しいことをやればいいんだ。それが、その時その時の、生きる目的。そうやって生きてゆくのはなんのため? そんな面倒な問題は、忘れたほうが面白く生きられるよ」

 

そんな人もあるでしょう。

本当にそんな主張を貫くことができるのでしょうか、いろいろな「楽しみ」の実態を考えてみたいと思います。

 

“スカッとさわやか”の正体は?

まず「欲望を満たす喜び」から、見てみましょう。

私たちの欲求はさまざまで、おいしい物が食べたい、流行の服が着たい、車が欲しい、恋人がいたら……そのほか、あげればキリがありません。

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欲望を満たすと、不満や苦痛は解消します。その過程で感じる「気持ちよさ」が、欲望を満たす幸福感です。

 

たとえば喉が渇いたときにコーラを飲めば、“スカッとさわやか”な快感を覚えます。

しかしその気持ちよさも束の間で、もう一口、また一口、と次第に渇きが癒されるにつれ、爽快感は減退します。

渇きが減ってゆく過程だけがおいしいと感じられるのです。

百パーセント“渇き”がなくなってからのコーラは、逆に苦しいものとなるでしょう。

痒いところを掻いている快感が、やがて痛くなるのと同じです。

 

不満がなくなると苦痛に変わる

これは「限界効用逓減の法則」と名づけられている、いろいろな場面で見られる現象です。

デートの喜びも、新しく始めた趣味の楽しみも、回数を重ねるにつれ、かつての興奮が味わえなくなってくるのではないでしょうか。

 

欲望を満たす“気持ちよさ”は強烈な幸福感ですが、すぐ消え去る宿命は、まぬがれようがありません。

苦しみの新しい間を楽しみといい、楽しみの古くなったのを苦しみといわれる、ゆえんです。

 

(『なぜ生きる』p.53-55 著:明橋大二・伊藤健太郎、監修:高森顕徹)

1万年堂出版のベストセラー『なぜ生きる』

たしかに、おいしいものを食べているときは幸せを感じますが、お腹がいっぱいでも食べないといけないとなると、とてもつらくなりますよね。

ほどほどに欲望を満たしながら生きていきたいところですが、なかなかそう上手くはいかないのが、私たちかもしれません。

今回ご紹介した 『なぜ生きる』は子供から大人まで、多くの人に勇気と元気を与えている書籍です。
発刊から20年たった今でも多くの方に読まれています。
忙しい日々のなか、ちょっと立ち止まって、「なぜ生きる」、考えてみませんか?

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