死を正視して苦悩の根元を知り、断ち切り、人生の目的が鮮明になる

「生きる意味は、自分で見つけよ」というアドバイスは、なぜ生きるかを真剣に考えている人には、無力です。
 たしかにスポーツや事業などに熱中できれば、「これが私の生きる意味だ」と充実感は味わえます。それはただし、死の影を忘れていられる間だけのことです。「あなたはやがて死ぬんだよ」というささやきが聞こえてくると、好きなことをして、望んだものを手中に収めても、根深い悩みが頭をもたげます。
「夢を実現しても、むなしかった」
「なぜ幸福に、悲しみが混じるのか」
「短い燃焼と、あわただしい消滅が、全体験ではなかったか?」
「心から満足できる目的はないのか」
 こんな疑問を抱く人が、人生の目的は「自分で見つけよ」といわれても、突き放されるだけでしょう。「生きる目的は人それぞれ」という主張は、死の問題を無視しているので、人生の悩みを根本的に解決する力はありません。
 死を正視して苦悩の根元を知り、それを断ち切ってはじめて、
「なんと生きるとは素晴らしいことなのか……」
「生きるとは、無上の幸せになるためであった……」
と、人生の目的が鮮明に知らされるのです。

 (『なぜ生きる』p.102-104 著:明橋大二・伊藤健太郎、監修:高森顕徹)

『なぜ生きる』書籍紹介

子供から大人まで、多くの人に勇気と元気を与えている書籍です。
発刊から20年たった今でも多くの方に読まれています。
忙しい日々のなか、ちょっと立ち止まって、「なぜ生きる」、考えてみませんか?
『なぜ生きる』のお求めは、お近くの書店や、弊社まで(TEL: 03-3518-2126)
お問い合わせください。

試し読みはこちらから