欲しい物が手に入っても、すぐに飽きるのはどうして?【こども歎異抄⑥】

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子どもが「あれ欲しい!」「これ買って~」と言ってきたら、どう答えるでしょうか。
誕生日などの特別な日でないかぎり、「どうせ、すぐ飽きるんでしょ?!」と返したくなります。

「一生のお願い…」と言われば、なおさらです。その言葉ほど、一生のうちに何度も繰り返されるものはないと知っているからです。
何でも欲しがって、すぐに飽きてしまうのは、経験の浅い子どもに限ったことではありません。大人も本質的には同じです。

一生懸命になるのは「コレさえあれば」と思うから

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    欲しい物が手に入ると、とっても気持ちがいいよね。

人によって何が欲しいかは様々ですが、誰にでも「これがあればきっと、毎日楽しく過ごせる」と思っているものがあります。

子どもなら、今人気のキャラクターグッズやおもちゃ、自分専用のゲーム機器。
大人なら、ネットの口コミで見た便利な家電や、美容用品、趣味やブランドの品、大きなものでは、車やマイホーム……。

物を買ったり、そのために仕事を頑張ったりするのは、より快適な生活を手に入れるためでしょう。

ずっと欲しかったものが手に入ったときには、子どもはもちろん、どんな人も胸が踊り、うれしい気持ちでいっぱいになります。

満足感は、いつまでも続かない

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    「こころ」は「コロコロ」変わるもの。

しかし、その喜びは、どれだけ長く続いているでしょうか。

冷静に振り返ってみると、実は、買ったときがワクワクのピークで、その後は、驚くほど短時間で気持ちが薄れていくことがよくあります。

これは、欲しいものを手に入れた満足感だけの話ではありません。

趣味に没頭する楽しさ、「今度こそは3キロ痩せる!」という決意、好きな人と一緒にいるドキドキ感など、ずっと続くと思っていた気持ちは、いつも気がつくと色あせてしまっています。

一体なぜなのでしょうか?

700年前の古典『歎異抄』では、どんなものも続かない、ということを「無常」といわれています。

どんなものも、と聞くと、形のあるものばかりが思い浮かぶかもしれませんが、いつまでも続かないのは、目に見えない「心」も同じです。

・小学校の頃に夢中になっていたカードゲーム、今は全然やりたいと思えない。
・昔好きだった芸能人、なんであんなにハマってたんだろ……
と不思議に感じることはないでしょうか。

同じ「私の心」といっても全く同じではなく、移ろい続けていることが分かります。

飽きた時のむなしさが教えてくれること

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    心変わりを感じたときが、自分と向き合うチャンス。

私たちは、何かに熱中しているとき、その気持ちがいつまでも続くと思い込んでいます。

そして、いつまでも続くと思っていた熱が冷めたとき、まるで楽しい夢から覚めたように寂しくなったり、なんであんなに時間やお金を使ったんだろう…とむなしくなったりします。

「どうしていつも気持ちが続かないんだろう……」と感じた時こそ、
その心を客観的に見つめ、自分にとって本当に大事なものって何だろう、と考え直す良い機会なのかもしれません。

(1万年堂ライフ編集部より)

いま話題の古典、『歎異抄』

あっという間に過ぎていく人生、一体何をしたらいいんだろう…。
仕事や子育ての手が空いた瞬間、ふと考えることはありませんか。

そんな疑問にそっと寄り添い、生き方のヒントを与えてくれるのが、700年前の古典『歎異抄』です。

昨年発売した入門書『歎異抄ってなんだろう』(監修:高森顕徹、著:高森光晴・大見滋紀)、ロングセラーの解説書『歎異抄をひらく』(著:高森顕徹)には、このような喜びの声が届いています。

●「人生に悩んでいたけど、一つの考え方にとらわれていたと気づけた。前向きになることができて、読んでよかったです。」(39歳・女性・会社員)

●「これからの私の人生において、必要で大事な一冊になる本です。」(41歳・女性)

●「今の自分には、この本が必要なんじゃないかとすぐ手に入れて読んでみると、文章がスッと入ってきて、読み進める度に気持ちも楽になってきました。」(46歳・女性・パート)

(『歎異抄をひらく』『歎異抄ってなんだろう』の読者アンケートより)

▼詳しく知りたい方はこちら▼

マンガ『こども歎異抄』とは

子どものころ、ひそかに感じていた、素朴な疑問。
家族や学校の先生に聞いてみても、「まぁそんなものだよ」「考えてもどうしようもない」とごまかされて、モヤモヤした経験はありませんか?

大人になるにつれ、知りたかった気持ちにはフタをして、目の前のことに追われる毎日。
「心とは?」「人間とは?」「生きるってどういうこと?」
今さら人に聞けなくなってしまった人生のギモンを、700年前の古典『歎異抄(たんにしょう)』を通じて、少し深めに掘り下げるマンガ連載が、『こども歎異抄』です。