「HSPを知ってほしい」高校生の探究活動がつないだ心のバトン~学校、書店、出版社、著者、そして……

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【イベントレポート】広島の学校で、高野優さんのHSP講演会が実現!

「HSP(人一倍敏感な人)について、少しでも多くの人に知ってもらいたい。
“ひとつの個性”として、あたたかく受け入れられる社会に」

そんな熱い願いを持つ、一人の高校生の探究活動をきっかけに始まった「繊細さんを知ろう!プロジェクト」。

立ち上げたのは、広島修道大学ひろしま協創中学校・高等学校3年生のKさんです。

「周りと比べて、深く考えすぎたり気にしすぎたりしてしまう」「長時間人といるとグッタリしてしまう」と悩んでいたKさんは、それがHSP特有の気質だという考えに出合います。

その発端となった一冊が、育児漫画家・高野優さんの『HSP!自分のトリセツ~共感しすぎて日が暮れて』でした。

生まれつき刺激に敏感で、共感力の高いHSPは、プラス面も多くある一方で、理解されずに苦しんだり、病気や障がいと誤解されたりすることも少なくありません。

「HSPの認知度が低いという課題を何とかしたい!」そう思ったKさんは、本のPOPを作って地元の書店で展開してもらったり、HSP啓発パンフレットを制作して、広島県内の高校や大学へ送る活動に取り組まれました。【ご確認依頼用】「HSPを知ってほしい」高校生の探究活動がつないだ心のバトン~学校、書店、出版社、著者、そして……の画像2

「素敵なプロジェクトを遂行された生徒さん、先生方に、ぜひ会ってお礼がしたい」

著者の優さんから嬉しい提案をいただき、プロジェクトを支えてこられた司書教諭のS先生とも相談を重ねながら、5月14日(水)、そのハートフルな講演会は実現しました。

同行した担当編集者が「感動で3度泣いた🥹」広島イベントレポートをお届けします!

(1万年堂出版編集部・北垣真由美)

患者さんの心に寄り添える看護師を目指したい

当日は、中学1年生から高校3年生までの文芸部の生徒さんを中心に、先生や保護者の皆さまが集まられました。
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最初に胸が熱くなったのは、看護師を目指す生徒さんの言葉です。

「医療従事者として、患者さんに寄り添うことが大事だと言われます。
でも、その気持ちや理由が分からないと、どうしてもわがままだと思ってしまうかもしれません。
さまざまな気質を持つ人がいることを、もっと理解し、学んでいこうと思いました」

こんな看護師さんに出会える方々は幸せです。
こんな生徒さんを育てる教育こそ、本物の教育だとジーンときました🥹
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ただ、幸せを感じてほしくて……

優さんの講演会を、ひときわ熱心に、笑顔で聞いてくださっている方が一番前の席に。

「もしかして、今回のプロジェクトを立ち上げられた生徒さんのお母さん?」

やさしく尋ねる優さんに、驚いて首を縦に振られました。
そして語られたことは……

「今回、HSPを知ることができて、本当によかったです。

実は、娘が小学生のとき、担任の先生から『給食を食べ終わるのがいつも遅くて…』と言われ、ショックを受けたことがあります。

家でもなかなか食べない子で、どうして食べるという当たり前のことができないんだろう、と悩んでいました。

ある日、せっかく作ったご飯を普通に味わってほしくて、ただ幸せを幸せだと感じてほしくて、つい怒りすぎてしまったんです。

その時、娘から『お母さんの心の中にオニがいる』と言われ、ハッとさせられたことがあります」

こういったことは、ひといちばい敏感な子を育てる親御さんにとって、共通した悩みと言っても過言ではありません。

特に、味覚や触覚などにも敏感なお子さんは、「早く食べなさい」「残さずに食べなさい」は過酷な命令ともなってしまいます。
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「わたしも子どもの頃は苦手なものが多かったんですよ。カレーライスの、カレーとライスが混ざっている部分もダメで…。
でも大丈夫。少しずつ慣れていくし、自分に合った対処法もわかってくると思います」

HSPに共感する優さんと、ただ子どもの幸せを願うお母さんとの、温かい心の交流が見えた気がしました🥹

母には気持ちをぶつけてしまう。だからこそ……

時間は、講演会前に遡ります。
今回、プロジェクトを立ち上げられた生徒のKさんと、優さんとの個別の時間。

「人前で話すと頭が真っ白になってしまうんです……」
「期待に応えられなかった気がして、帰ってからもずっと落ち込むことがあります……」

悩みを打ち明けるKさんに、優さんは、
「一人反省会してしまうのよね~。でも、あなたが落ち込むほど、周りはだめだと思ってない。

自分の中では0パーセントに思えても、それってきっと、最初から300パーセントを目指してるからなのよ」

今回のプロジェクトの成功はもちろん、茶道部で部長も務めていたKさんは、とても後輩思いのがんばり屋さんだと、司書教諭の先生も言われていました。

しかもこの「HSPはつい300パーセントを目指してしまう」というのは、最近、優さんが落ち込んだときに、HSPの親友からかけてもらった言葉だそうです。

「大丈夫」「相談してよかった」というバトンがつながった気がしました。

そして最後にKさんは、
「HSPを知ることができてよかったです。ただ、母にはどうしても、気持ちをぶつけてしまって。つらい思いをさせているんじゃないかと心配なんです」

後ろで聞いていた担当編集者が、いちばんウルッときた瞬間でした🥹

もちろん、優さんは、
「心を許してもらえるのは、親にとって何よりも嬉しいことよ。
お母さんはおいくつかしら?
50代になったら、少し労わってあげてもいいかもしれないけれど。笑」

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前座は、広島駅の廣文館ミナモア店さんを訪問

今回のプロジェクトにご協力くださった廣文館書店さんへは、最初にお礼に伺いました。
訪問した店舗は、広島駅に今年3月オープンしたばかりの「BOOK GALLERY KOBUNKAN」さんです。
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書店の真ん中にはお洒落なイベントスペースがあり、「本」と「人」を中心に置いた、楽しい企画を次々と開催されています。
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優さんにサイン色紙を描いていただき、しばし歓談したあと、いざ、広島修道大学ひろしま協創中学校・高等学校へ。(記事の最初に戻る)

廣文館の丸岡取締役が車で送迎してくださり、なんと、イベントにも参加していただきました!
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丸岡取締役が、感想をこのように語ってくださいました。

「いい講演会でしたね。書店でも開催できればと思いました。
文化的な仕事である書店で働く人の中には、人一倍敏感な人が多いと感じています。
上司や会社が理解することで、その人の才能を伸ばし、働きやすい社会になっていくのではと思います。
ちなみにHSPの簡易チェックリスト、私も半分以上当てはまりました。笑」

廣文館書店さん、そして、広島修道大学ひろしま協創中学校・高等学校の皆さま、何より著者の高野優さん、本当にありがとうございました✨

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HSP!最高のトリセツ 気にしなくて大丈夫、気にしたって大丈夫

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高野優(著)