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充実した毎日を過ごすためには、効率を上げることが大切ですよね。

最近は、お金の無駄を減らす「コストパフォーマンス」よりも、時間を節約する「タイムパフォーマンス」を重視する人が増えているようです。

中には、映画やドラマを2倍速で観たり、あらすじだけ確認する人もいるとか……。

いくら効率が良いと言っても、近道を求めすぎると、かえって、目的を見失ってしまうこともあるのではないでしょうか?

今回は、『新装版 光に向かって123のこころのタネ』から、本文の一部をご紹介します✨

「オレは近道が好きじゃから」とは言っても、すべて通らねばならぬ道がある

 

少々の悪路でも、常に近道を好む男がいた。

 

宿屋を早朝、急いで用足しせずに出発したので、途中、激しい催便に悩まされた。

幸い野原へさしかかったので、適当な所がないかと探しながら行くと、道端に手ごろな穴がある。

周囲を見ても誰もいないので〝この穴で用足ししよう〟と心を決めた。

ちょうど、昼時、どこかで昼食にしようと思っていた男は、同時に済まして先を急ごうと考えた。

入れるのと出すのを一緒に済まそうというワケだ。

 

穴をまたいで、持参のおにぎりを食べながら、男は気持ち良く用便した。

ところが、好事、魔多しと言うか、穴の底には蜂の巣があったのだ。

平和な家庭へドカドカと臭いモノが落ちてくる。

蜂たちが一斉に怒った。

早速、出口に舞い上がって見ると、変な口からまた落ちそうになっている同類の一物を発見。

現行犯逮捕よろしく、特に軟らかそうな所を選んで、思いっきりハチの一刺しを敢行する。

驚くまいことか飛び上がった男は、思わず食べていたおにぎりを不覚にも穴に落としてしまった。

拾ってみても、どうにもならぬ変わり果てたおにぎりを、ガッカリ顔で見ていた男は、〝うまくやった〟とやがて手を打って喜んだという。

「どうせ食べても腹を通して肛門から、やがてここへ落とすのじゃ。オレは近道が好きじゃから」

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

一日の労働を終え独身男が帰宅すると、隣から大好物のおはぎが五つも届けられる。

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ひどく腹ペコだった彼は、早速五個のおはぎをペロリと平らげ大いに満腹した。

ところが男は、そのとき、
「しまった。初めの四個を食べずに五つ目を最初に食べれば満腹できて、後でまた四個食べられたのに……」
と言って悔しがったという。

しかし、そんなわけにはいかぬ。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

すべて通らねばならぬ道がある。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

(『新装版 光に向かって123のこころのタネ』p.137-139 著:高森顕徹)

元気のわく言葉&幸せへのヒント集

近道をしたつもりでも、大切な部分が抜けていたら、本来の目的から遠ざかってしまうこともありますよね。

何事も効率が重視される世の中ですが、効率化はあくまで、余ったお金や時間を有効に使うための「手段」です。

「効率をよくすること」自体が目的になってしまっていないか、自分自身の行動を振り返ってみたいと思います。

今回ご紹介した『新装版 光に向かって123のこころのタネ』は、20万部を突破したベストセラー、高森顕徹先生の『光に向かって123のこころのタネ』の新装版です。

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