子どもと一緒にいられるのは、あと何年?【こども歎異抄⑧】

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子どもの誕生日、いつまで一緒にお祝いできる?

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    成長はうれしいけど、ちょっぴり切ないもの。

子どもの誕生日は、1年間の成長を振り返る節目でもあり、思い出に残る一日でもありますよね。

「普段は仕事で忙しいけど、せめて誕生日は子どもと過ごすと決めている」「普段はパパっと作る食事も、誕生日は子どもの好きなものを準備する」など、その家なりの過ごし方があると思います。

しかし、小さいうちは家族で祝うことが多い誕生日も、子どもの交友関係が広がると、家族よりも一緒に過ごしたい相手ができるものです。
そしていつか、友達や恋人との約束を優先し、こどもの誕生日なのに当の本人がいない、というときも。

子どもは急に成長するわけではありませんが、あるとき突然「本人のいない誕生日」を迎え、子育てが終わりに近づいていることに驚いた、という声はよく聞かれます。

子どもの成長を寂しく感じるのはどうして?

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    「私がいないとダメ」と思う相手に、実は支えられているのかも。

子どもの誕生日に本人が外出している、という出来事は一つの大きな自立のサインです。
しかし、それは多かれ少なかれ、子どもが生まれたときから始まっているのではないでしょうか。

たとえば、子どもが初めて歩いたときや、一人でお風呂に入れるようになったとき、親子で一緒に寝るのをやめたとき……。
今はまだ子どもの面倒をみるだけで忙しい日々も「この先、一人でなんでもできるようになって、そのうち離れていくんだろうな…」と想像すると、なんだか切ない気持ちになりますよね。

このように、本来ならうれしいはずの子どもの成長を、さびしく感じてしまうのは、一体なぜでしょうか。
それは、「私が子どもの成長を支えている」と思っている親自身もまた、子どもの存在に心を支えられているからです。

親は毎日クタクタになっても、「子どもがいるから、仕事も家事もがんばろう」と思えます。
子どもがご飯をおいしそうに食べる姿、楽しそうに笑っている姿、安心して眠っている姿を見るだけで、どんな疲れも吹き飛んでしまうほどです。

子どもが成長し、一人でできることが増えるのはとても喜ばしいことのはず。
でも、それは日々の活力になっている子どもという存在が、次第に遠くへ行ってしまうことでもあるのです。

子どもの自立は、「自分のための人生」を考えるチャンス

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    寂しくなったときこそ、自分を見つめる時間になるんだね。

どんな人でも、今まで当たり前と思っていたものや、頼りにしているものがなくなった時、さびしさやむなしさを感じます。
あるいは、今はまだ手元にあっても、いつか自分から離れていってしまうと思うと、不安になります。

子育ての中で最もそれを感じるのは、今までずっと一緒にいた子どもが、進学や就職・結婚といったタイミングで、家を出たときです。
一生懸命育ててきた子どもが巣立っていったとき、「この先なんのために頑張ればいいんだろう…」と心にポッカリと穴があいたような喪失感に襲われ、気分が落ち込むことがあります。
いわゆる「空の巣症候群」です。

これは、子どもをとても大切に育ててきたことの現れでもあります。

ただ、同時に「親」という役割は、一時的なものであり、いつまでも自分を支えてくれるわけではないことも、心のどこかに留めておく必要があります。
期限付きの立場であるにもかかわらず、子どもの存在だけを心の支えにしてしまうと、いざ子どもが自立を迎えた時、自分はどこに向かえばいいか分からなくなってしまうからです。

親としてやるべきことが少なくなり、子どもに使う時間が減るということは、今度は、自分のために使える時間が増えていくことでもあります。

子どもの自立は、「親」という役割を離れた自分自身の人生をあらためて振り返り、これからの生き方を考えるチャンスかもしれません。
子どもの成長に切なさを感じたときこそ、本当に自分の心を支えてくれるものは何なのか、じっくりと見つめ直すための見聞を広げてみてはいかがでしょうか。

(1万年堂ライフ編集部より)

いま話題の古典、『歎異抄』

 

子育てや家事、仕事、親の介護など、慌ただしい毎日が一段落し、ほっと一息ついたとき、
「私の人生、こんなものなのかな」「この先、一体何のために頑張ればいいんだろう…」と思うことはありませんか?

そんな疑問にそっと寄り添い、生き方のヒントを与えてくれるのが、700年前の古典『歎異抄』です。

この度60万部を突破したロングセラーの解説書『歎異抄をひらく』(著:高森顕徹)には、次のような喜びの声が届いています。

「家族にも紹介しようと思います」(31歳・女性・主婦)

「これからの私の人生において、必要で大事な一冊になる本です。」(41歳・女性)

「人生の折り返し地点を迎え、少し立ち止まり、読んでみました。私にとって、これから何度も読んでいく本だと思います」(49歳・女性)

(『歎異抄をひらく』の読者アンケートより)

▼詳しく知りたい方はこちら▼

マンガ『こども歎異抄』とは

子どものころ、ひそかに感じていた、素朴な疑問。
家族や学校の先生に聞いてみても、「まぁそんなものだよ」「考えてもどうしようもない」とごまかされて、モヤモヤした経験はありませんか?

大人になるにつれ、知りたかった気持ちにはフタをして、目の前のことに追われる毎日。
「心とは?」「人間とは?」「生きるってどういうこと?」
今さら人に聞けなくなってしまった人生のギモンを、700年前の古典『歎異抄(たんにしょう)』を通じて、少し深めに掘り下げるマンガ連載が、『こども歎異抄』です。