100歳になっても、人生は「あっという間」?【こども歎異抄⑦】

子どものころ、大人になった未来の自分を想像して、気が遠くなるような気持ちになったことはないでしょうか。

しかし、いざ大人になってみると、自分が大人になるまでも、子どもが成長するのも、本当にあっという間ですよね。

自分にはまだまだ時間がある…と思いがちですが、年を重ねるほど、時間は早く過ぎ去ってしまうものなのかもしれません。

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地球の歴史と比べると、人生はほんの一瞬

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    「長い」か「短い」かは、何と比べるかで変わるね。

日本人の平均寿命を知っていますか?

――厚生労働省の「簡易生命表(令和3年)」によると、男性がおよそ81歳、女性がおよそ88歳だそうです。

数百年前の日本には、「人間五十年」という言葉がありましたが、医学の発達した現代では、100歳を越える方も珍しくありません。

自分の倍以上の年齢を重ねている人に出会うと、本当に長いこと生きてこられたんだなぁ、と圧倒される気持ちになりますよね。

ですが、同じ80年の寿命といっても、何と比べるかによって、「長い」と感じるか、「短い」と感じるかは大きく変わります。

たしかに、医療が不十分だった時代や、今の自分の年齢と比べると、80年の年月は長く感じるものです。

一方で、それよりもはるかに長い、人類や地球の歴史、ましてや宇宙の歴史と比べてみると、どうでしょう。

同じ人間の寿命といっても一転、はかないものに感じてくるのではないでしょうか。

よく、子どもの理科や社会の教科書に、46億年の地球の歴史を1年間のカレンダーに見立てた「地球カレンダー」という資料が載っていることがあります。

「地球カレンダー」上でいうところの「1秒」は、実際の時間ではおよそ146年。

世界で最も長生きと言われる日本人の寿命も、地球の歴史と比べると、なんと、たった0.5秒に縮まってしまうのです。

たとえ100年、長生きしたといっても、地球の歴史と比べてみれば、まさに、一息吸って吐くまでの時間もないほど、またたく間に過ぎていってしまいます。

年を重ねるほど、時間の流れは速くなる

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    「えっ、もう○月?」って思うこと、よくあるよね。

さらに、同じ時間を過ごしていても、大人と子どもとでは、感じ方が全く異なります。

たとえば、子どもの頃は、永遠に遊べるように感じていた3連休。
大人になった今では、どうでしょう。

平日の疲れは全く癒やせないまま、普段より忙しい食事の準備に追われるばかり。

気が付いた時には休みが明け、またいつもの生活が始まる。

慌ただしい毎日を過ごしているうちに、一カ月、一年、十年でさえもあっという前に過ぎ、ついこの間まで赤ちゃんだった子どもがすっかり大きくなっていることに驚かされます。

同じ「一年」でも、2歳の子どもにとっては人生の2分の1。

4歳の子どもにとっては、4分の1。40歳の大人にとっては、40分の1。

子どもにとっての一年は人生の大部分を占めていますが、年を重ねるにつれて、その割合は減っていくのです。

このように、同じ時間を過ごしていても、大人になってからは何倍も速く過ぎ去っていくように感じることを「ジャネーの法則」といわれます。

本当に今、悩むべきこととは?

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    いつまでもあると思うと、無駄遣いしてしまいがち。

まだまだある、と感じる時間も、いつまでも使えるものではありません。

私たちは毎日、忙しい、忙しいと何かに急かされながら、本当に必要なことにどれだけ時間を割り当てているでしょう。

子育てで目の前のことに追われていると、「今日はやるべきことが全部できた」という日は、なかなかないのが現実です。

お金や健康の心配、子どもの将来や仕事のことなど、日々、対応しなければならない問題は山積み。

特に人間関係のトラブルに巻き込まれたりすると、この問題がいつまでも解決しなかったらどうしよう…と不安でいっぱいになり、悩みが頭から離れないときもありますよね。

しかし、先ほどの「地球カレンダー」で考えてみると、たった1秒後には、自分にストレスを与えてくる相手も、ストレスを感じている自分自身も、誰もいなくなるのです。

問題が解決してもしなくても、あっという間に時間が経って、問題と思う自分すらいなくなる。

そう俯瞰してみると、自分の時間を消費している悩みも、少しはちっぽけなものに見えてくるかもしれません。

「100年生きてもあっという間」の限りある人生と思えば、一瞬一瞬の使い道を、大切に考えずにはいられなくなるのではないでしょうか。

(1万年堂ライフ編集部より)

いま話題の古典、『歎異抄』


あっという間に過ぎていく人生、一体何をしたらいいんだろう…。
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そんな疑問にそっと寄り添い、生き方のヒントを与えてくれるのが、700年前の古典『歎異抄』です。

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●「人生に悩んでいたけど、一つの考え方にとらわれていたと気づけた。前向きになることができて、読んでよかったです。」(39歳・女性・会社員)

●「『歎異抄』について知識のない私でも、イメージしやすく身近に感じられました。」(44歳・女性・公務員)

●「今の自分には、この本が必要なんじゃないかとすぐ手に入れて読んでみると、文章がスッと入ってきて、読み進める度に気持ちも楽になってきました。」(46歳・女性・パート)

●「マイナス思考だった私が、この本を読んで、元気になりました。」(47歳・女性・パート)

(『歎異抄ってなんだろう』の読者アンケートより)

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マンガ『こども歎異抄』とは

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「心とは?」「人間とは?」「生きるってどういうこと?」
今さら人に聞けなくなってしまった人生のギモンを、700年前の古典『歎異抄(たんにしょう)』を通じて、少し深めに掘り下げるマンガ連載が、『こども歎異抄』です。