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理解されず孤独…。価値観の違いからくるすれ違いの解決策

「わかってほしいのに、わかってもらえない」と悩むことはないでしょうか。

相手のことを知れば知るほど価値観の違いがわかってガッカリし、孤独を感じてしまいます。

どうすれば分かり合うことができるのでしょうか?

仏教の観点から学んでみましょう。

真理子
中2の娘と小4の息子を持つワーキングマザー。お気に入りのカフェで行われている「仏教塾いろは」に参加しはじめる。
智美
真理子さんのママ友達で、在宅でデザインの仕事をしている主婦。
塾長
仏教塾いろはの塾長。アメリカの大学で仏教の講義をしていた。店長とは旧知の仲。
  1. 智美

    真理子さん、ちょっと、いいですか?

  2. 真理子

    智美さん、どうしたの?

  3. 智美

    この前、友達から、主人とうまくいってない、という話を聞いたんです。最近、すれ違いが多いそうで、孤独を感じているそうなんです。

  4. 真理子

    それは辛いわよね…。どんなことがあったの?

  5. 智美

    結婚する前は、価値観や考え方が合うから、いい人と出会えたって喜んでいたんですが、子供が生まれてからは、育児のことでよくケンカになってしまうらしくて…。わかってもらえずとても孤独で、辛そうにしてました。

  6. 真理子

    私も価値観の違いでケンカすることはあるから、気持ちはよくわかるわ。価値観の違いってどうしたらいいのかしら?塾長にアドバイスをもらいましょうよ。

相手の気持ちをすべて知って、完全に理解できる?

  1. 塾長

    価値観の違いについて、仏教の観点からお話ししますね。

価値観の違いから、すれ違いを感じているということでしたね。

自分の気持ちや考えがわかってもらえないと寂しさを感じ、孤独感が強まってしまいます。

それくらい私達は「自分のことをわかってほしい、認めてほしい、大事にしてほしい」という気持ちが強いということですね。いわゆる承認欲が強いのが私達です。

  1. 智美

    そうですね。自分の気持ちに共感してもらえると嬉しいですし、そうなれば孤独感はないですね。

しかし、いつも自分の気持ちのすべてを知って、完全に理解してもらえることはあるでしょうか?

逆にいえば相手のことをすべて知り抜いて、完全にその気持ちを理解することができるでしょうか?

  1. 真理子

    う~ん、ちょっとできそうにないわね…。というよりそんなに自分のことを何でも知られたら怖い気もするわね(笑)

夫婦といっても24時間いつも一緒にいるわけではないですし、相手のすべてを知ることができません。

また相手の気持ちを完全に理解することも難しいでしょう。

価値観や考え方は、知り合ったばかりの頃はすごく似ているように感じていても、長く一緒にいるとやっぱり細かい部分では違っていることにだんだん気付いてきます

  1. 真理子

    私は主人とは好きな音楽が一緒のものが多くて仲良くなったのよね~。でも時間が経つと、音楽の趣味も全部一緒かというと、違うところがあるのもわかってきたわね。

  2. 智美

    そうですね、大きな方向性は一緒でも細かいところは違うことが多いですね。カレーが好きなのは一緒でも辛さの好みが違ったり、豆腐にかけるのが醤油なのかポン酢なのかも違ったりして、結婚してから驚くこといっぱいありましたね~。

人間は生まれて死ぬまで、ずっと孤独?

生活上の習慣から、子育てや将来に対する考え方、お金の使い方など、考え方はまさに十人十色です。

そういうことからいうと、自分のことを全部、完全にわかってくれる人はいないのですね。人間は生まれてから死ぬまで孤独な旅を続けているようなものなのです。

これをお釈迦様は『独生独死 独去独来(どくしょうどくし どっこどくらい)』といわれています。

人間は独りでこの世に生まれて、独り、この世を去っていく。生まれてから死ぬまで独りぼっち、ということです。

「そんなことはない。私には家族もいるし、親友もいる。たくさんの人に囲まれて生きている」と思うかもしれません。

しかしここで「独り」といわれているのは、「私のことをすべて知って、完全に理解し、私のすべての受け止めてくれる人はいない」ということです

どんなに親しい人が相手であっても、「これはさすがに言えない。言ったら今までの関係が壊れてしまう」というものがあるでしょう

人間はみな「私のことを認めてほしい、わかってほしい」と願いながらも、本当にわかってもらうことができないのです。人生は孤独なのですね。

  1. 智美

    なるほど、確かにそういう面もあると思うんですけど、それでは寂しすぎると思います。もう分かり合えないので、どうしようもない、ということでしょうか?

『独生独死 独去独来』といわれると、もう相手とは分かり合えないので、ずっと寂しい思いを抱えて生きていかないといけない、と感じるかもしれませんが、そんなことはありません。

お釈迦様の教えから悩みに答えている『幸せのタネをまくと、幸せの花が咲く2』には、このように書かれています。

「どうせ、人間は分かり合えないのだ」と絶望し、自分のカラの中に閉じこもって、周りをシャットアウトしてしまいたくなることもあるでしょう。

そんな私たちに対して、お釈迦さまは、

「独りぼっちなのは、あなただけではないのだよ。みんな独りぼっちで苦しんでいるのだよ」

と言われています。

孤独で苦しんでいるのは、あなただけではないのです
自分が分かってもらえないと苦しんでいる時、相手もまた分かってもらえないと苦しんでいるのです

(中略)

妻は、「毎日、家事や子供のこと、近所づきあいがどれだけ大変か。食事や家の片づけだって頑張っているのに夫は全く分かってくれない」と不満に思っているかもしれません。

夫は、「毎日、家族のために朝から晩まで働いているのに、少しもねぎらいの言葉がないし、感謝もしてくれない」と寂しく思っているかもしれません。

このように、同じ屋根の下で暮らしていても、自分のことを全然分かってくれないと、お互いが自分の世界の中で苦しんでいるのです。

自分だけじゃない、みんな孤独なんだ、と気がつけば、自分の寂しさを通して、相手の寂しさを理解しようという気持ちになります

同じ病で苦しむ人は、お互いの苦しみが分かりますから、互いを思いやる気持ちが強くなります

(『幸せのタネをまくと、幸せの花が咲く2』p201 岡本一志著 より引用)

お互いが孤独なのだとわかれば、だからこそ相手の寂しさを理解しようという気持ちになって、心から励まし合うことができるのですね。

お互いが価値観をぶつけ合って、理解してもらえないと嘆くのではなく、歩み寄ることができるのです。

すれ違いを生むのは、「わかってくれて当然」という思い

親しくなったり、付き合いが長くなると、お互いが「当然自分のことをわかってくれているはずだ、わかってもらえるに違いない」と思い込んでしまいます。

夫婦、親子といっても違う人間なのですから、分かり合えないことも多々あります。

それなのに、わかってくれて当然だと思うから、すれ違いを生み出してしまうのですね

  1. 智美

    そうですね、長く一緒にいると、どうしてわかってくれないのよって思ってしまうけど、まずは1人1人違う価値観で生きているということを忘れていけませんよね。

その上で、お互い自分の思い、価値観をよく話し合っていく必要があります。

言わなくてもわかるだろうと思っていては、伝わりません。

ケンカや衝突を通して、お互いの価値観や考え方をよく知る機会にしてほしいと思います

  1. 智美

    そっか、、1つ1つの壁を乗り越えていくことでより、お互いを知り、絆を深めていくことになるんですね。ぶつからないに越したことはないんでしょうけど(苦笑)今度、友達に話してみます!

まとめ

  • 「わかってほしい」と思っても、私自身が相手のことをすべて知って、完全に理解することは難しいです
  • 自分のことを全部、完全にわかってくれる人はいません。お釈迦様はそのことを「独生独死 独去独来」といわれています。お互いが孤独なのだとわかれば、だからこそ相手の寂しさを理解しようという気持ちになって、心から励まし合うことができるのです
  • わかってくれて当然だと思うから、すれ違いを生み出してしまいます。言わなくてもわかるだろう、ではなく、お互いが自分の価値観をよく話し合っていきましょう

今回ご紹介した書籍はこちら

幸せのタネをまくと、幸せの花が咲く2

幸せのタネをまくと、幸せの花が咲く2

岡本一志(著) 太田知子(イラスト)

運命は、これからいくらでも変えていける 現代は、知りたい情報は、何でもインターネットで手軽に調べられる、便利な世の中です。しかし、みんなが分からないで困っていることがあります。 それは、「自分の運命は、何によって決まるのか?」ということ。 「うまくいかないのは、運が悪いから」「これも定めだと、あきらめるしかないのかな」。そんな声が世にあふれているのは、運命はどうして決まるのか、よく分からないからです。本書の中で著者は、ズバリ「運がいいとか、悪いとか、初めから決まっているのではないのですよ。運命を決めるのは、あなた自身の行いです」と答えています。第1弾は、分かりやすい文章と、元気になるアドバイスが、小中高生から80代までの、幅広い層に支持されています。 第2弾では、もっと詳しく知りたい、という読者の要望にこたえました。著者が10年間、仏教講師として受けた、さまざまな悩み相談の中から、「つらい思い出は、どう受け止めたらいい?」「怒りが治まらなくてつらい時は?」「負のスパイラルに陥らないために」「幸せを生み出す日々のタネまき」など、前作では答え切れなかった事例を取り上げています。 第1弾で大好評だったウサギのキャラクターが、今回も随所に登場します。 心が和み、「よし。今日からさっそく幸せのタネをまこう!」と明るく前向きになれる1冊です。 第1弾『幸せのタネをまくと、幸せの花が咲く』はこちら ※『日めくりカレンダー 幸せのタネをまくと、幸せの花が咲く』もあります

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