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苦しいときこそ実行したい!笑顔の素晴らしい効果と、常に笑顔でいるためのコツは?

「笑顔」は周囲を明るくし、人間関係をよくする最も大事なものといわれます。
笑うと心が明るくなり、満たされた気持ちになりますよね。

しかし、常に笑顔でいたいとは思いながら、なかなかでき難いのも笑顔なのではないでしょうか。

夫の態度が気に入らない、子供が言う事を聞かない、上から目線の上司に常にイライラ。

さらには、頑張って笑顔で接したのに、相手はツーンとしたまま無視…なんてことをされたら、「二度とやってたまるか~」と怒りが沸騰するかもしれません。

どうすれば、笑顔を絶やさず日々を送れるのでしょうか。常に笑顔でいるためのコツを仏教から学んでみましょう。

登場人物

奈々
原田店長の娘(小学4年)。お父さんのいるカフェの勉強会にも参加し、大人顔負けの質問をする。
ふじ江
内孫と外孫、合わせて7人の孫を持つおばあちゃん。書道の腕前は超一級で、自宅で書道教室を開く。仏教塾ではベテラン選手。
塾長
仏教塾いろはの塾長。アメリカの大学で仏教の講義をしていた。店長とは旧知の仲。

沈んだ表情を浮かべてカフェいろはのテーブル席に座っているナナに気づき、声をかけるふじ江。

  1. ………。

  2. ナナちゃん、今日は元気がないね。何だか表情が暗いよ。

  3. あ、ふじ江おばあちゃん。最近、ぜんぜんツイてないって思うの。今日は車に泥をかけられてお気に入りの靴が汚れちゃうし、男の子にはそれを見られてからかわれるし、靴を洗ってたら学校にも遅れちゃうし。もうイヤになっちゃった。

  4. そんなことがあったんだ、大変だったね。でもね、ナナちゃん。落ち込んでいるときに悲しいお顔をしていると、もっと悲しい気持ちになってしまうんだよ。

  5. これ以上、悲しい気持ちになりたくないよ~。

  6. そんなときこそね、「笑顔」でいることが大事なんだよ。お釈迦様も笑顔が大事だと教えているんだよ。笑顔には周りも自分も明るくする力があるんだよ。塾長さんもこの前、お話しされていたよ。

  7. え!どいうこと?おばあちゃん、教えて。

人も自分も幸せにする、釈迦も勧められた「笑顔」

  1. 塾長

    「笑顔」について、仏教ではどう教えられているか、お話ししますね。

私達は誰でも、ブスっとしている人より、いつも笑顔でいる人に近寄りたいですよね。
笑顔で接してもらうだけで、心が明るく、元気になるものです。

お釈迦様も、笑顔を実践すると自分も周りも幸せになるのだよ、と教えられています。

『思いやりのこころ』には、お釈迦様が笑顔の大切さを教えられたエピソードが書かれています。

お釈迦様の時代、幼くして両親を亡くし、給孤独長者の屋敷に引き取られ働いていたサーヤという女の子がいました。

サーヤは両親がいない寂しさにいつも泣いていました。しかし、お釈迦様から笑顔の大切さを教えられ、見違えるほど明るい少女へと生まれ変わったのです。

長者は、サーヤが急に明るくなったことに気づいた。いつも楽しそうに働いている。長者は、サーヤを呼んで話を聞いてみたくなった。

「サーヤ、いつもニコニコしているね。何か、うれしいことがあったのかい」

「はい! 私のように、お金や財産がまったくない人でも、思いやりの心さえあれば、七つの施しができると、お釈迦さまは教えてくださいました。私にもできる布施があったと分かって、うれしくて……」

これは『雑宝蔵経』に説かれている有名な「無財の七施」という教えである。

眼施   ……温かい眼差しで接する

和顔悦色施……明るい笑顔、優しい微笑をたたえた笑顔で人に接する

言辞施  ……心からの優しい言葉をかけていく

身施   ……肉体を使って人のため、社会のために働くこと。無料奉仕

心施   ……「ありがとう」「すみません」などの感謝の言葉を述べる

床座施  ……場所や席を譲り合う

房舎施  ……訪ねてくる人があれば一宿一飯の施しを与え、労をねぎらう

彼女は長者に向かって、笑顔で話し続ける。

「私には、二番めの『和顔悦色施』ができそうなので、一生懸命に、優しい笑顔で接するように努力しているのです」

「ふーん。ニコニコしていることは、そんなにいいことなのかい」

「はい。暗く悲しそうな顔をすると、周りの人もつらくなるし、自分も惨めな気持ちになります苦しくてもにっこり笑うと、気持ちが和らいできます。周囲の人の心も明るくなります。いつもニコニコしようと決心したら、親がいないことや、つらいなと思っていたことが、だんだんつらくなくなってきました。泣きたい時も、にっこり笑ってみると、気持ちが落ち着いて泣かなくなるんです」

黙って聞いていた長者は、胸が熱くなってしまった。

(『思いやりのこころ』木村耕一著 より引用)

この後、給孤独長者もサーヤと一緒にお釈迦様の教えを聞くようになり、ともに幸せな人生を歩むことになったといわれています。

サーヤのように、苦しいときこそ笑顔を心がけたいですね。

  1. 私と同じくらいで、しかもパパやママもいない子が、つらくてもニコニコしてるなんて、すごい!笑顔って、暗い気持ちも明るくさせるパワーがあるんだね!

「笑顔」は大事。そう分かってはいても…

このような笑顔には周りも自分も明るくさせる力があります。
しかし人生は山あり谷ありで、つらいことや落ち込むこと、「もうどうにでもなれ~」と自暴自棄になって泣きたくなることも多々ありますよね。

そんなときは、どうしても暗い表情になってしまって余計に落ち込む、周りにも心配をかける、という悪循環に陥りがちです。

では、そんなときでも笑顔でいるには、どうしたら良いのでしょうか?

仏教についてやさしく解説された『幸せのタネをまくと、幸せの花が咲く』から、そのヒントを学んでみましょう。

仏教だけでなく、医学的にも心理学的にも、笑顔が健康に与える好影響が実証されています。「一日一笑 医者いらず」という古い格言もあります。

笑顔は免疫効果を高めて病気になりにくくし、ストレス解消、軽い運動の効果もあると医学からもいわれます。さらに、ダイエットにもつながるそうです。

また、最初は作り笑いでも、笑っているうちに本当に気持ちも和らぎ、気分も上向きになってくると心理学ではいわれます。

笑顔でいると、周りのあなたへの印象は、とてもよいものになります。

あなたの魅力が二倍にも三倍にも増え、周りからも山彦のように笑顔が返ってきます。人間関係も、とてもスムーズになります。

「周りに合わせて笑顔を作ろう」なんて後ろ向きに考える必要はありません自分のストレス解消、健康や美容へプラスになると考えれば、自然と笑顔を心掛けることができます。その結果として、あなたも周りの人たちも癒やされて、元気になれるのです。

(『幸せのタネをまくと、幸せの花が咲く』岡本一志著 より引用)

相手のために笑顔ができればそれに越したことはありませんが、それが難しいときは、「自分の健康や美容にもプラスになるのだ!」と思えば、笑顔するのも頑張れるでしょう。

すべては自分に返ってくると思って、実践したいですね。

  1. へー、笑顔って、いろいろお得なんだね~。そんなにいいことがあると思うと、つらいときでもがんばれるかも。

自分は笑顔で接しているのに、夫が返してくれないんです!

しかしながら、自分は頑張って笑顔で接しているのに、いつも夫や上司はブスっとしている…。

こうなると、「私ばっかり頑張って、こいつ何なのよ~(怒)」と、これまたやる気がなくなってしまうものですよね。
頑張って笑顔でいることが損なのでは…という気さえなります。

しかし、自分が笑顔をして損になることは、絶対にないのだと教えられています
なぜなら、自分が笑顔を実践した結果は、全て自分に返ってくるからです

先に紹介したサーヤのエピソードの中にあった「無財の七施」を実践するとき、施す相手は「田んぼ」にたとえられます。

なぜ田んぼかというと、田んぼは、モミだねをまいたときは一時自分の手元からなくなりますが、秋になればお米という形となって、モミだねとは比較にならないほど、まいた人の手に何倍にもなって戻るからです

たとえ相手が笑顔を返してくれなかったり、いつも態度が冷たかったりしても、自分が笑顔で接した結果は、別の形で間違いなく自分に返ってきます。
たとえ笑顔で接した人が認めてくれなくても、周りの人達は、冷たい態度を取る相手にも笑顔で接しているあなたを評価してくれているかもしれません

「今は田んぼにタネをまいているのだ」
「この結果は必ず自分に返ってくるのだ」

と思えば、田んぼになってくれている相手に、感謝する気持ちさえも出てくるかもしれません。

反対に、自分に笑顔で接してくれる人がいたなら、しっかりと笑顔をお返したいですね
「打てば響く」ように、すぐに笑顔で返してくれる人には、また次もがんばろう、という気持ちになるものです。

自分のやったことがすぐに返ってくる感覚を、心理学で「効力感」といわれます。
効力感が得られると、俄然、やる気が高まっていきます。

お互いに効力感を与えあう存在になると、とても気持ちよく過ごせるでしょう。

笑顔は、心がけ次第でいくらでもできるもの。幸せな人生を送れるよう、日々心掛けていきたいですね。

まとめ

  • 仏教で「和顔悦色施」といわれるように、笑顔は自分も人も幸せにする素晴らしい行いです。
  • つらいときや苦しいときは、なかなか笑顔ができにくいもの。そんなときは、笑顔をするままが美容や健康など、自分にとってプラスになると思えると、がんばれるでしょう。
  • 相手が笑顔を返してくれなくても、自分が努力して笑顔をした結果はすべて、自分の幸せとして返ってきます。損するということは、まったくありません
  1. 笑顔でいると、自分も人も幸せにできるんだね。ナナ、悲しいときこそ笑顔、がんばるよ!

  2. ナナちゃんのその笑顔を見て、あたしも元気をもらったよ。ありがとう。やっぱりナナちゃんは笑顔でいるときが一番素敵だよ。これからも一緒に頑張ろうね。

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