
『子育てハッピーアドバイス』がママたちに絶大な支持を得ている医師の明橋大二先生、そして双子の男の子の母でもある料理家、上田淳子先生に特別インタビュー!
お二人が考える朝ごはんの役割、子どもを伸ばす朝ごはんとは?
朝ごはんの習慣が心の発育にかかわっている
朝ごはんのときに「早く食べなさい」「残しちゃダメ!」と、大きな声を出してしまう。どのご家庭でも聞く話です。
毎朝きちんと、好き嫌いなく食べさせたいというお母さんの気持ちはよくわかりますし、確かに、朝ごはんはとても重要なものです。富山県で行われたある調査では、朝ごはんを食べている子どもは、食べていない子どもに比べて自己評価が高いという結果が出ています。自己評価とは「自分は大切な存在だ」「必要とされている」という感覚のこと。生きていくうえで、一番大切なものです。
この結果は、栄養面がしっかり補えているからというよりは、朝ごはんを通しての親子のふれあいの時間がとれているかどうかの差だと私は考えます。朝、食卓を囲みながら、今日一日の予定を話す。朝ごはんを作って出すことで、子どもが「自分はきちんと世話をされている」という安心感を持つ。こういうことが心の発育にかかわってくるのではないでしょうか。ですから、朝ごはんはなるべく楽しい時間にしたいものです。
栄養面と量へのこだわりを捨ててみて
「そうはいってもやはり、だらだら食いや、好きなものしか食べないことが気になる…」というお母さんもいますよね。でも、そのために朝ごはんが親子ともに苦痛な時間になってしまうようなら、思い切って栄養面と量へのこだわりを捨ててみてはどうでしょうか。朝完璧に食べられなくても、給食も夕食もありますし、「朝ごはんを食べなくても、栄養失調や餓死なんてしない」くらいおおらかに考えてもいいのでは、と思います。
食べられたことをほめて、気分よく
だらだら食べるのが気になるなら、残っていても時間を区切って食事を終わりにしてしまえば、忙しい朝でもイライラせずにすみます。子どもが量を食べないのは、食べたくないから。おなかが減ったら黙っていても食べますから、朝ごはんの時間に親が食べさせたい量を食べなくてもよしと考えてみてください。子どもにとっては、毎朝「残しちゃダメでしょ!」と叱られるよりも、「半分も食べられてえらいね」と、頑張って食べた半分をほめられるほうがずっと気分がいいはず。そこへ、例えばおにぎりしか食べない子であれば、具としておかずを入れてしまうとか、お母さんのちょっとした工夫をプラスすれば、それでもう十分だと思うんです。好き嫌いなく、たくさん食べさせることよりも、朝ごはんは親子のふれあいを通して「心の栄養をあげる時間」。こう考えて、子どもをのびのび育ててください。
PROFILE
精神科医。京都大学医学部卒業後、愛知県立城山病院などを経て、
真生会富山病院心療内科部長。
児童相談所嘱託医、中学校スクールカウンセラー、
NPO法人子どもの権利支援センターぱれっと理事長。
家族みんなが笑顔になれると評判の『子育てハッピーアドバイス』シリーズは、
累計200万部以上の大ベストセラー!
子どもの才能の伸ばし方、サッカーや野球のコーチングなど、父親に読ませる企画満載の『日経Kids+』『AERA with Kids』、パパのカッコイイ育児参加スタイルを提案する『FQ JAPAN』などの子育て雑誌が今、大きな反響を呼んでいる。誌面に登場するのは「男の育児」を存分に楽しむ読者パパたち。彼らのように子どもとともに学び、遊ぶライフスタイルを持つ男性がここ数年で急激に増えてきている。にほんブログ村の子育てジャンルでも自らの育児を記した「パパの育児」のブログは300件以上、さらに子どもとの時間を楽しむためのパパ向け番組NHK『パパサウルス』、昨秋放映されたTVドラマ『オトコの子育て』などの大ヒットなど、男の育児は今注目のキーワードだ。一方、それに呼応するかのように市町村やNPO主催の父親向け育児講座やイベントも急増中。福井県の「お父さん応援プロジェクト」、岩手県の父と子の料理教室、岡山県では父親中心の子育てサークルに助成金を出すなど、全国各地でその取り組みは年々活発化している。
厚生労働省の調べによると「育児を仕事と同等に重視したい」「どちらかといえば優先したい」という男性は何と7割近く。だが仕事を優先せざるを得ないのがやはり現実。そのため同省では企業に向け、男性社員の仕事と家庭の両立を応援しよう!という大々的な働きかけをし、多くの企業でフレックス勤務制度や育児休暇などの子育て支援の導入が実現、昨年は男性の育児休暇取得者数が過去最高となった。


この本を会社帰りに本屋で見た時、買う、手に取る、まったく目に入らないと、3種類のパパがいると思うんだけど、目にも入らないパパは相当ヤバイ!"いまそこにある危機"に気づいてないというか、父親なのに当事者意識がまるでないということだから。本書は漫画で描かれたロールプレイングがわかりやすく「ああ、そうか!こういうふうに言えば不機嫌なママも笑顔でいてくれるんだな」と教えてくれる参考書にもなっている。一番共感したのはパートナーシップ。オムツ替えやお風呂の入れ方という技術ももちろん大事だけど、パパの最も重要な役割はママを支えること。母親と子どもは共依存するんです。それをぶったぎって自立させるのが父親の役目。そこでどう父親が介入していくか、それをするためには夫婦が互いを認め合うことが一番大切だということも、ていねいに書いてあります。まさにその通りで、支え合い満たされている親の姿を見ると、子どもは安心して外へと行けるものなんですよね。一方でこの本は、父親の自立支援の書だとも思う。日本の多くの父親って自立していないでしょう。会社で依存し、家庭では奥さんに寄りかかり(笑)。子どもを自立させたいなら、まず自分が自立しないと。子育ては義務ではなく、楽しい権利。そして子どもとともに親も成長できるチャンスなんです。「子育てをしたいけど、仕事が忙しくて……」という言い訳ばかりのパパにも、働き方や意識を変えることの重要性について、この本は考えるきっかけを与えてくれます。子どものいる家族を船にたとえるなら、どういう航海マップを描いて、乗組員である家族ひとりひとりがどんな役割を持って、どんなふうに安全かつエキサイティングな航海をするのか――それをディレクションし、ビジョンにして提示してあげるのが父親の役目じゃないのかな。子どもに対しても、パパが自分の夢を語り、親である前にひとりの人間として自分の人生を楽しんでいるかどうかをちゃんと言葉や行動で示すことこそ最高の教育だと思う。父親が変われば家族も変わっていくんです。でもこの本はあくまでアドバイス。マニュアルではない。後は状況に応じて自分らしく楽しくやればいい。実践して少しでもいい方向に変われば、その流れをもっと確かなものにしていく次のアクションは、自分で見つけていけばいいと思います。

発売当初から400冊以上売れている本書は、当店のノンフィクション売り上げのTOP3にずっとランクインしている人気書籍。売り場も育児書、教育書、ビジネス書、文芸書、店頭と、いくつものコーナーで展開し、お父さん、お母さんをはじめ、多くの方に手に取ってもらいやすいようにしています。パパになった息子さんに贈られるのか、おじいちゃんやおばあちゃんと見られる方が買っていかれることも多いですね。今まで子育て書でお父さんに向けて書かれたものはあまりなかった。この本はそういったことでも大きな意味を持っていると思います。この人気を受け、今度ビジネス書コーナーでお父さんのための子育て書フェアも開催する予定です。
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
「子育てハッピーアドバイス」シリーズは当店で大人気のシリーズ。この本も刊行前から多くの問い合わせがありました。はじめ購買層の中心はシリーズの読者であるお母さんだったのですが、年末年始に家族で来店される方が多くなる時期から、お父さんたちがこの本を手に取る姿が急に増えてきました。週に30冊も売れている今では、お父さん自身が買っていくことのほうが多いほど。来店するお子さん連れの方を見ると子育ては大変だなと思います。それを家族みんなでコミュニケーションをとりながらやっていこうよ、と語る本書は心温かな一冊。この本を売っていくことは、お父さん、お母さんの助けにもなるんだ、という思いを持ちながらお薦めしています。
取材・文/河村道子 撮影/鈴木慶子
子育てに関する著書で知られる明橋大二医師(富山県・真生会富山病院心療内科部長)の講演会が12日、大分市のいいちこ音の泉ホールで行われた。県主催のフォーラムの中で「子育てハッピーアドバイス──自己肯定感をはぐくむ子育てを考える」と題して行われた講演の要旨を紹介する。
子どもをめぐる事件が起こるたびに、今の子どもたちは大人の否定的な目にさらされている。問題の根っこにあるのはその子自身の悪さではなく、「自己評価の極端な低さ」だ。自己評価とは、平たくいうと「自分は生きていていいんだ」という子どもにとって一番大切な自己肯定感。ある調査によると、日本の子どもたちの自己評価は他国より突出して低いという。
自己評価は3歳くらいまでにはぐくまれる。これが土台となり、4歳から6歳で基本的な生活習慣が身に付き、7歳くらいから勉強したいという意欲がわいてくる。現在の子どもたちは土台がボロボロになっている子が多い。「どうせ……」という言葉はそのサイン。「自分なんて生きていても意味がない」と考えてしまう。そういうときには、ルールや勉強よりも、もう一度土台から育てなおすことが大切だ。「あなたは大切な人間だ」と伝えていく。いくつになっても手遅れということはない。
子どもの自己評価が低い要因として、虐待やいじめ、人とのかかわりの希薄さが挙げられる。今の家庭では昔に比べて親子が一緒に過ごす時間が少ない。手が掛からない子がいい子だと思われているが、子どもの甘えや反抗はとても大切。子どもはマイナスの感情を親にぶつけて、それでも受け入れられて親の愛情を確認する。
子どもの心は依存と自立の繰り返しで成長している。甘えない人が自立するのではなく、甘えた人が自立する。子どもが素直に愛情を求められるよう、子どもの甘えをうまく育てていくことがポイントだ。依存させない、自立させないかかわり方をしない。
ほったらかしと構い過ぎには注意しよう。子どもの心は"手のひらの中の卵"。締め付けると壊れ、離しすぎると割れてしまう。ほどよい力で支え続けていく。
大切なのは(1)子どもが小さいときはスキンシップ(2)子どもの話をよく聞く(3)子どもの頑張りを認めて、ねぎらう(4)ありがとうの言葉を伝える──の4つ。
子育ては思うようにいかないものだし、悩むのは一生懸命にかかわっているからこそ。親の不安や苦労をねぎらい、理解し、支え合う──悩みながら子育てをすることは決して間違っていないし、子どもにも伝わる。
子どもたちには今の時代なりの不安や痛みがある。それを理解し、支えることで、生きる力を引き出してほしい。大分県の子どもたちが健やかに育ちますように!
読売新聞朝刊(富山版)で、平成18年4月から、明橋先生の「子どものこころ相談室」が、連載されています(隔週日曜日掲載)。
子育てをしていると、さまざまな疑問や戸惑いが出てくることが少なくありません。そんな親御さんから読売新聞に寄せられた質問に、明橋先生がアドバイスをされているものです。
『子育てハッピーアドバイス』シリーズと同じように、太田知子さんがコンビを組んで、マンガやイラストを担当。カラーで、やわらかい雰囲気のコーナーが、読者の人気を呼んでいます。
読売新聞のホームページで、すべてのバックナンバーを読むことができます(残念ながら、ホームページでは文字原稿のみで、太田さんのマンガは掲載されていません)。
あなたの悩みに、明橋先生が答えを下さっているかもしれませんよ!
http://hokuriku.yomiuri.co.jp/hoksub7/kodomo/
射水市子どもの権利支援センター「ほっとスマイル」(三ケ・小杉)の開設4周年を記念した「いみず子どもフォーラム2007」が25日、射水市小杉文化ホール・ラポールで開かれた。
真生会富山病院心療内科部長で、NPO法人「子どもの権利支援センターぱれっと」理事長の明橋大二さんが「地域ぐるみの子育てハッピーアドバイス」と題して基調講演。6月に射水市子ども条例が制定されたのを機に、地域で子育てをしている親や支援者が集まり、子育てについて語り合いたいと述べた。
パネルディスカッションでは、NPO法人元気やネット代表の岡村祥子さん、射水市こども課の三箇陽子さん、NPO法人学校外教育支援協会の松本剛明さん、ほっとスマイルを利用している中学生が、子育て支援や家庭児童相談員、訪問サポートなどの立場から話し合った。
子育ての心構えとエールを、親しみやすい漫画と簡潔な文章でつづった本「子育てハッピーアドバイス」(1万年堂出版)は、2005年の発刊以来、5冊で計200万部を超す人気シリーズ。アドバイスの骨子を紹介するとともに、このほど札幌や胆振管内白老町で講演した著者で精神科医の明橋大二さん(47)に、子育て中の母親へのメッセージを聞いた。(町田誠)
子の心の成長に最も大事なのは、「自分は大切な存在」と思える自己肯定感。幼少時に十分に甘えを受けとめてもらうことで、はぐくまれる。「抱き癖をつけてはいけない」は間違いで、赤ちゃんにはスキンシップが大切。10歳までは徹底的に甘えさせる。ただし、甘やかすこと(過保護)と甘えさせることとの区別が子育てのかぎ。
「現代社会は規範意識ばかりが強調され、しつけや勉強、自立心の土台になる自己肯定感の大切さが抜け落ちているのが心配です。引きこもりや非行、拒食症のなどの根底には、自己評価の低さがあります。学校や教育基本法でも自己肯定感の大切さを掲げてほしい」
子のペースに合わせ、親を頼ってきたら助け、「自分でやる」と言ってきたらやらせる。親の指示通りにやって成功しても、自信にはつながらない。10代は甘え(依存)と反抗(自立)の行き来が激しく、くるくる変わる。
「子どもを厳しくしつけたという読者から『自分の子育てが否定されたようで落ち込んだが、アドバイスを実践したら子どもに笑顔が出て、自分の間違いに気づいた』との感想も届きました。昔の子は、親に厳しくされても、友達やきょうだいが多いので親と適切な距離を置けた。今は親子が密着しており、子は親の否定的な言動や支配に大きな影響を受けるんです」
子どもは自己中心的で、言うことをきかないものだと認める。子の日々の言動すべてが親の責任ではなく、もともとの性格による部分も大きい。子育てに自信がないのは、どの親も一緒。親が肩の力を抜くと、子も楽になる。キレない子を育てるには、キレない親になることだ。
「核家族化と父親の長時間労働で、母親が家庭内で孤立しています。子を守るには、まず母親を守らなければなりません。母親が自己肯定感を持てるよう、子育ての努力を認め、地域で支える必要があります」
大きくうなずき「そうか」と聞く。親が話す時間の方が長くなってはいけない。子の気持ちを否定せず「嫌だったんだね」「悔しかったんだね」と言葉を繰り返す。「これをしなさい」「これはしちゃいけない」より、「私はうれしい(悲しい)」と言う方が伝わる。
「子が話をしないのは、親が長々と小言を返すから。気が小さい子や素直でない子は、しかる際に追いつめてはダメ。いったん言い分を認め、『これは良くない』と伝えて。『がんばれ』と励ますより、『がんばってるね』とねぎらう方が、子に元気が出ます」
「日本の子育ては悪くなってなんかいません。『今どきの母親は……』と言う声もあるが、昔は昔、今は今。今どきのお母さんはわりと一生懸命子育てしていますよ」と話す、明橋大二さん(47)。
第1回「ミセスが選ぶBOOK大賞」の「夫に読んでもらいたい本」銀賞に選ばれた「子育てハッピーアドバイス」(1万年堂出版)の著者で、スクールカウンセラーとして、多くの子どもの相談に携わってきた精神科のお医者さんだ。
ご自身の講演記録をまとめた冊子が出版社の目に留まり、最初の本を出版。多くの反響があり、もっと分かってもらいたいという思いから、「私としては半信半疑だったのですが、出版社のアイデアにより"マンガ"で解説した」のが「子育てハッピー」シリーズだ。
「イラストやマンガだと、文章だけでは表現しきれない子どもの表情などが一目瞭然。絵ってすごいなぁと実感」。読みやすさや分かりやすさ、専門家からの「大丈夫だよ」という温かいメッセージが評判になり、シリーズで200万部を突破するベストセラーに。
「子育てで大事なことはいくつもあるわけでない」と明橋さん。「しつけの土台になるのは"自己肯定感"。子どもが"自分は大切な存在"であり、"生きている価値があるんだ"という意識を持てるようにすること、それだけです」
その自己肯定感はお母さんにも必要。「子どもと向き合っているお母さんの感覚が一番正しいと思う。自分を信じて、自身を大切にしてもらいたい。子が宝なら、母親もまた宝」とエールを送る。
2女の父。「自分の失敗を振り返りつつ……(笑)」、子育てのパートナーであるお父さんのために、現在「パパの子育てハッピーアドバイス(仮称)」(10月出版予定)を執筆中だ。
富山県の精神科医で、ベストセラー「子育てハッピーアドバイス」シリーズ(1万年堂出版)の著者としても知られる明橋大二(あけはし・だいじ)さんは福島民報社のインタビューに答え、子どもに自己肯定感を持たせることの大切さを強調した。
──「子育てハッピーアドバイス」シリーズは計5冊で200万部を売り上げました。
明橋さん 地元の小中学校でスクールカウンセラーを経験し、非行や心身症の傾向のある子どもたちの心の共通点を見つけました。そのような心の問題を予防、改善するために、親はどのように子どもに接するべきかを本に書いたのが始まりで、多くの方に読んでいただき光栄に思います。
──心の問題とはどのようなことでしょうか。
明橋さん 問題のある子どもは「自分は価値がない人間だ」などと過小評価してしまうところがあるのです。この子たちに、しつけをしても効果は上がりません。当然、勉強もです。ただ、自己否定とは治らないものではありません。小学生なら1年間もあれば十分に改善できます。そこで、自分の価値を認める自己肯定感を持った子どもを育てるために、親はどのように接していけばよいのか、というのが重要になってきます。
──ぜひ、お聞かせください。
明橋さん 子どものペースで、安心して生活させることが重要です。親に大切にされることで、自分は必要とされている存在なんだと思えるようになります。子どもの話をじっくり聞いてあげることも忘れてはいけません。
──子どもには、どのような言葉をかければいいのでしょう。
明橋さん 子どもは子どもなりに頑張っていることがよくあります。そういう姿を見かけたら、「頑張っているね」とねぎらいましょう。気持ちが前向きになります。一方で「どうして○○しないのか」と否定的にとらえる言葉は禁句です。子どもに多くの夢を託しているでしょうが「なるようにしかならない」と開き直ることも大切。肩の力が抜けると、子どもの良さが見えてきますよ。
──子どもを甘やかすことにはなりませんか。
明橋さん その心配はありません。10歳まではどんどん甘えさせてください。子どもの心は愛情が満たされることで、自立という次の段階に進むのですから。
──今後、お父さんのための子育て本を出すと聞きました。
明橋さん お父さんに求められていることは、子育てに励むお母さんのサポートです。すでに、お父さん方は子どものために何をするべきかを知っているはずです。いかに実行するかにかかっています。筆をとっている私自身も反省していますが……。
精神科医、明橋大二さんのベストセラー「子育てハッピーアドバイス」シリーズ第5弾「10代からの子育てハッピーアドバイス」が好評だ。比較的母親向けの前作までと比べ、男性読者の割合も増えているという。お父さんたちも知っておきたい子育ての心構えを聞いた。(三保谷浩輝)
「予想もしていなかったというか、そう目新しいことは書いていない。ただ"自己肯定感(自分に対する評価、別項)の大事さ"に絞って、これだけでいいと書いたのが新鮮だった。もう1つはお母さんを守ろう、支えようという視点。お母さんが楽になると子供も楽になり元気になる、と。読者からも、これで楽になった、号泣しましたなどと言われました」
「思春期になると、本当に子供のつらさが表に出てくるし、親としてあたふたもする。親だけでなく世の中も(対処法が)わからなくなっている。私なりにコレは絶対に大事だということを書きました」
──不登校も、電化製品の自動温度調節装置にたとえ"心のサーモスタットが作動した状態"などと表現している「ああいうたとえは、今まであまりなかった。自己修復作用で、健全な反応なんですね。親御さんは引きこもりになるんじゃないかと心配するけど、不登校の子がしっかり休んで元気になったプロセスを見てきたから、はっきり言えるんです」
──いじめも深刻……「大人のいじめに対する見方、対応は社会問題化した20年くらい前と全然変わってないんですわ。たかがいじめぐらいとか、いじめられるお前も悪い、もっと強くなれとか責めるようなことを言って自殺に追い込んでいる。思春期の子供の置かれた状況をもっと知ってほしい」
「いじめに走る子のケアも必要。いじめる子も被害体験を持ってるんですわ。自分でやり返せないからもっと弱いほうにぶつける。そういう連鎖を断つためには、加害者自身の心の傷を解決してやらないといけない」
──父親は10代の子にどう接すればいい?「思春期だからこそ父親の出番はある。うるさい、うざいと子供は言っても親がどう見て、認めてくれるか求める。『子供に相手にしてもらえない』というお父さんもいますが、本当に必要とされていないかというと、決してそうじゃないよとわかってほしい。実は今、お父さんのための本も書いています」
──どんな内容?「お父さんも子育ての当事者。まず大事なのは夫婦関係で、夫婦関係がよくなれば子育ても変わってくる。そのために奥さんにはこう接すればいいとか……。女性も読むので、(お父さん擁護の)フォローもできるだけしていますよ(笑)」
──さて、明橋家の父子関係は?「高3と高1の娘がいますが、むっちゃ難しいですね。この本では上の子にも意見を聞いて、バイト料も払いましたが、『友達にも読ませてやりたい』と言ってくれた。読者はがきで好評だと、『私が書いたところやな』などと言ったり」
──いい関係ですね「言えないこともたくさんありますが(笑)」
(内容)「自分は大切な存在だ」「生きている価値がある」といった自己評価(自己肯定感)の重要性、そのはぐくみ方を中心に、親の対処法を伝授。「10代の子どもに接する10カ条」や、子供のSOSの兆候を読み取る方法などを、イラスト(太田知子)などとともに解説している。 子どもが育っていくときに一番大切なことは、「自分は生きていいんだ。存在価値のある人間なんだ」と思えること──。
5月11日、東京・港区私立幼稚園PTA連合会主催の子育て講演会で話をした真生会富山病院心療内科部長で、小学校のスクールカウンセラーの明橋大二さんは、子育てで最も大事なことは、子どもに自尊感情を持たせることだとし、自己肯定感がすべての土台になるとした。
明橋さんは医者、スクールカウンセラーとして多くの子どもや親の相談を受けた経験から、10歳までの子育てで大切なことをまとめた『輝ける子』を02年に1万年堂出版から刊行した。
これが出るやいなや大きな反響があり、同社ではよりわかりやすくイラストをふんだんに用いた『子育てハッピーアドバイス』を刊行。順次2巻、3巻、それらのエッセンスをまとめた『子育てハッピーエッセンス100%』、そして『10代からの子育てハッピーアドバイス』と刊行し、すでに100万部を突破する人気シリーズとなっており、昨年はフジテレビ系の「笑っていいとも!」のレギュラーコーナーにも出演した。
子育てに関する本がたくさん出ている中で、なぜ明橋さんの本にこれだけの人気が集まるのか。
明橋さんは、「赤ちゃんならスキンシップを」とし、存分に甘えさせてあげることを提唱する。
また、叱っていい子どもといけないタイプの子どもがいるとし、おおらかな子どもは少々叱っても馬耳東風なのでかまわないが、気が小さいタイプ、「どうせ自分なんか」と自己評価が低い子どもの場合、事情をよく聞いてあげることが大切とする。
そして何より大事なのは、毎日たいへんな思いで子育てをしているお母さんたちのサポートを父親をはじめとする周囲がもっとすることだという。
こうした母親たちのがんばりを肯定し、応援している明橋さんの本や講演は、全国から大きな反響があり、同出版社には出版から2年ほどで約3万通のはがきが寄せられ、明橋さんの講演スケジュールはすでに来年まで詰まっているとか。
明橋さんは「今の若い母親たちも一生懸命子育てをしているのに、ちょっとしたことでも育て方が悪いと責められ、いっぱいいっぱいになっている。そんなときに今のままでいいんだと読んだり聞いたりすることで、肩の力がすとんとぬけるみたい」という。
そして、子育てでもっとも気をつけたいのは「こうすべき」といった一方的な価値観を押しつけてしまうことで、「こんなときはどうしよう」という悩みが生じたら、その時点でいくつかの物差しで子どもを見ているのだから、もうそれでいいという。
キレない子どもに育てるために気をつけることはただ1つ。「キレない親になること」。子どもをやる気にさせる注意の仕方は、子どもを認める、注意する、もういちど認めるのサンドイッチ型にすることなど、具体的なアドバイスがもりだくさんの明橋さんの子育てアドバイスは、なるほどと思える部分が多く、子どもと接する教師にとっても、ヒントが盛りだくさんだ。
精神科医、スクールカウンセラー、NPO法人子どもの権利支援センター「ぱれっと」(射水市・小杉)の副理事長として、いじめ問題などに取り組む真生会富山病院(同・大門)の心療内科部長、明橋大二氏にいじめの背景や対処方法を聞いた。
──いじめに遭っていても周囲に相談できないケースが多い。
「いじめは悲しいことであり、子どもたち自身に事実を認めたくない思いがある。いじめられていることを『恥ずかしい』『みじめだ』と思ったり、親に心配を掛けたくないという気持ちがあり、相談しづらい。親や教師は表情や行動の変化に注意し、おかしいと感じれば『人間関係で悩んでないか』と話を聞いてあげてほしい」
──いじめられている子への対応は。
「まず『あなたはちっとも悪くない。いじめる人が間違っている』としっかり伝えてほしい。ところが、相談しても『もっと強くなれ』『言い返せ』『あなたにも悪いところがあるんじゃないか』と言う大人が学校現場にもいる。そんなことを言われれば、『言い返せない自分が悪い』『自分が悪いからいじめられる』と子どもたちはさらに自分を責める。個性、性格はそれぞれだが、いじめられる理由は誰にもない」
──なぜ人をいじめるのか。
「いじめる側は2つに分かれる。1つは遊びの延長で、からかい半分。相手が傷ついていると気付かずにやっている。この場合はいじめだと認識させ、絶対に駄目だと教えることで収まる。
もう1つは相手が傷ついているのを分かりながらやる、悪意のあるタイプ。この子たち自身がいじめや体罰、親にかわいがってもらえないなど、何らかの被害体験があるケースが多い。その『怒り』をため込んで、抵抗できない人に向ける。ただ『いじめるな』と注意しても、見えない場所やターゲットを変えていじめを続ける」
──対応は。
「いじめは決して許されないが、いじめている側やその親をただ責めてはいけない。いじめをしている子も『苦しい』というSOSを出していると受け止め、ケアをしていくことが大事だ。それが心からの謝罪につながり、いじめられた側も安心できる。いじめた側を出席停止にしても解決にはならない」
──いじめを防ぐ方法は。
「子どもたちにアンケートをしていじめの実態を把握し、実態に応じたいじめ防止プログラムを作ることが必要だ。ノルウェーなどでは独自のプログラムでいじめを半減させている。日本も本気になって取り組むべきだ。大阪府で導入されているスクールソーシャルワーカーや、子どもの声を聞くオンブズマン制度なども有効だと思う。
いじめによるトラウマ(心の傷)は、戦争体験によるトラウマに劣らないというデータがある。それだけ人を傷つける人権問題が、学校現場で続いていることを、日本社会はもっと真剣に考えなければならない。人間の尊厳、命の大切さを教えるのは教育の根幹であり、子どもと教師、保護者がもっと時間をかけて話し合うべきだ」
本書は数年前に手にしてからずっと愛読している1冊である。全ページカラーで、元気がわく言葉と心を癒やす写真が満載の本だ。気持ちが沈んでいるときには、この本を読んで気分転換を図るのもいい。短い言葉の1つ1つに、メッセージが込められているように思える。
全部いい言葉ばかりだが、中でもグッとくるのがこれだ。「ならぬ堪忍、するが堪忍。大切なのは心であり、心の持ちようである。かんしゃくのくの字を捨ててただ、感謝」
世間でも、「ものは考えようだ」というようなことは聞くが、この本の言葉は奥深く感じた。窮地に立ったとき、もうどうしようもないとあきらめるのではなく、今このときこそチャンスだと思えばいい。失敗をしたら、二度と同じことを繰り返さないことを誓い、成功のもとにすればいい。他人から何か注意されることがあったら、落ち込まず、私を向上させるために苦言を呈していただいたのだと感謝すればいい。
考え方ひとつで日々の生活の快適さが倍増するということを読者に発信しているように思える。感謝の気持ちは決して忘れてはならないということもあらためて考える。
単調な毎日を過ごす中で、衣食住をはじめとして、家族や友人、身の回りのものに対しての"ありがとう"という感謝の気持ちが希薄化しつつある現代社会。どんな時代になっても、人間の本質的な部分は変わらずにいたいものだ。生きていく中での教訓がたっぷり詰まっていて、人間観を問うてくるこの1冊。まだ読んだことのないという人にもお薦めしたい。

かわいらしいイラストや4コマ漫画を使った育児本「子育てハッピーアドバイス」(1万年堂出版)が、お母さんたちの心をつかんでいる。シリーズ3冊で160万部を突破した。著者は、真生会富山病院(富山県射水市)で心療内科部長を務める明橋大二医師。このシリーズに込めた思いや、楽しく子育てするためのポイントなどを聞いた。(酒井ゆり)
―― イラストや4コマ漫画が添えられていて、読みやすいですね。
専門家ものは分厚くて、文字が多い。だから、とにかく手に取ってもらいたくて、イラストや漫画をたくさん使うことにしました。1時間ほどで読み切れるよう、本の大きさや厚さも工夫しました。それが親のニーズにあったようです。「子どもを寝かしつけながら読めた」「初めて育児本を読破できた」といった感想が届いています。
―― 子育て支援に取り組むきっかけは。
もともとは大人の精神疾患を診てきましたが、20歳を過ぎてから発症した場合でも、子どものころに心身症を患っている人が8割もいることを知り、スクールカウンセラーとして子どもとかかわるようになりました。
トラブルを起こす子とじっくり向き合ってみると、親から虐待されていることが多かった。その親も、子育てが思うようにいかず一人で苦しんでいました。現状を目の当たりにして、まず親を支援することが必要だと思い、子育て支援に力を入れるようになりました。
―― 最近、いじめが問題になっていますが、いじめられた子、いじめた子の親は、どう対応すればいいのでしょうか。
子どもがいじめられていると分かった場合は、「いじめる方が悪い」と伝えることが大切です。「いじめられるようなことをしたのか」と問いつめたり、「いじめ返せ」などと迫れば、自分が悪いことをしているように感じてしまいます。
一方、いじめに荷担している子は二通りいます。まず相手が傷ついていると分からずにいじめがエスカレートしていってしまった子は、「相手が傷ついている」と諭せば理解してやめます。
それに対し、傷ついていると分かっていていじめているケースは、その背後に、厳しすぎるしつけや体罰、ほかの子からのいじめが隠れているかもしれません。「どこかでつらい思いをしたのでは」と問いかけて理由を聞き出し、大人がきちんと受け止めてあげることが必要だと思います。
―― 子育てに奮闘中のお父さんやお母さんに一番伝えたいことは。
自己肯定感を持つことです。子どもだけでなく、親も一緒です。周囲から「言葉が遅いのでは」「歩き方がおかしいかも」などと言われると、子育てが間違っていたのではと悩むお母さんがたくさんいます。でも子どもはそれぞれのペースがありますし、親も最初は未熟で当たり前。「この子はこの子、私は私」と思って、一緒に成長していけばいいのです。
「子どもが『自分は大事にされてる』と感じることが人格の土台になる」と真生会富山病院(富山県射水市)の精神科医明橋大二さん(47)。
子どもをほめ、話に耳を傾ける。やさしい漫画で事例を挙げ、自己評価を高める子育てを分かりやすく解説した著書「子育てハッピーアドバイス」シリーズは、育児書としては異例の計100万部を売り上げた。
小学校のカウンセラーも務める。虐待、ネグレクト(養育放棄)された子が「自分は生きる価値がない」と思い込んで大人への怒りを募らせ、突然「キレる」様子を目の当たりにしてきた。
子育てに悩む親の苦しみが理解されない現実にも危機感を抱く。「親も十分がんばってる。『この子はこの子でいい』と、ゆったりとした心で向き合ってもらえれば」
1万年堂出版の「子育てハッピーアドバイス」(明橋大二著、太田知子イラスト)がシリーズ1、2で100万部を突破、9月5日には第3弾を発売する。これに合わせて書店でミリオンフェアを展開している。
05年12月の発売当初から予想を上回る反応をみせた「子育てハッピーアドバイス」(初版5万部)が7月10日に60万部、06年4月発売の第2弾「子育てハッピーアドバイス2」(同)が同日40万部に達し、シリーズ合計ミリオンを達成。さらに「1」は8月25日で70万部となり、伸びは衰えない。
同社・山崎豊編集部長は「医師でありスクールカウンセラーでもある著者が、おかあさんの気持ちを分かって、いたわって書かれており、マンガと簡潔な文章で忙しいお母さんでも分かりやすく簡単に読め、子育てに自信と安心を与えてくれる点が評価された」と好評の原因を分析する。
ミリオン突破と第3弾発売に合わせ、パネルなどの各種拡材を提供して書店店頭で「ミリオンフェア」を展開しているが、第3弾はすでに初版部数5万部を上回る注文があり、早くも増刷の検討に入った。
1万年堂出版の『子育てハッピーアドバイス』が1、2巻合計で発行100万部に達した。マンガと文章で解説する同書には、20〜30代前半の若いお母さんから支持を得ている。
1巻は昨年12月に発売し累計60万部、2巻は4月の発売から40万部となった。東京、大阪、名古屋、福岡など主要都市を中心に売上げを伸ばし、同社初のミリオンセラーとなった。
同社編集部には1巻の愛読者カードがいまも週に700〜800通返信されており、「動きはまだまだ止まっていない」と語っている。9月にはシリーズ第3弾が発売される予定である。
話題の育児手引書「子育てハッピーアドバイス」の著者で、富山県の医師明橋大二さんを招いた子育てセミナーが1日、京都市中京区のこどもみらい館で開かれた。
市内の親子連れら約500人が参加。明橋さんは子育てにあたって、「ありのままの自分でいいという自己肯定感を3歳までにしっかりはぐくむ必要がある」と指摘。抱きしめることや丁寧に話を聞くことが大切、と述べた。
また、子どもの自己評価を高める言葉として、「『頑張れ』は、つらい時には、それまでの努力を否定された気にさせる。アンケートでは、子どもが大人からかけてほしい言葉の一番は『ありがとう』だった。大人の側は、子どもにあれこれと求めるが、ささいなことでも認め、ほめてあげて」と語りかけた。
『子育てハッピーアドバイス』の著者・明橋大二医師が、人気教育番組「テレビ寺子屋」に、講師として、平成18年6月から3回、出演しました。この番組は、全国25局で放送されています。また、31年めを迎える長寿番組でもあります。
(第1回はフジテレビでは6月24日に放送されました。放送日時は、地域によって異なります)
第1回は「子育てハッピーアドバイス」、第2回は「甘えさせる、甘やかす」、第3回は、「お母さんのサポーター」と題してのお話でした。
それぞれの講演内容を、要約してご紹介します。

子育てをする時には、しつけや、思いやり、勉強を教えることも大切ですが、もっと大事なことがあります。「自己評価・自己肯定感」を育むということです。「自己評価・自己肯定感」とは、平たく言うと、「自分に対する自信」ということです。
単に、何ができて、何ができないという能力に対する自信ではなく、自分が生きているということに対する自信です。「自分は大切な存在なんだ」とか、「生きていていいんだ」と思える感覚をいいます。この自己評価を育むことが、子どもを育てていくうえで本当に大事なことなのですが、なかなかその大切さが知られていないのが、現状です。
この自己評価という土台があって、初めて、しつけや勉強を教えることができます。
いろいろな心のトラブルを起こす子どもと接して分かってきたのは、この自己評価が十分に持てていないということでした。自己評価の育っていない子どもは、自分は「存在価値がない」「いらない人間」「生きてる意味がない」と、言葉には出さなくとも、心の底で思っています。そういう子どもに、しつけや勉強を教えようとすると、傷ついている自己評価をさらに傷つけることになってしまいます。
それらの子どもが、よく使うのが、「どうせ、私なんか」という言葉です。「どうせ」という言葉が出てきたら、自己評価が下がっているというサインだと受けとめてください。そういう子は、決して叱ってはいけません。「あなたは大切な存在なんだ」ということを伝えて自己評価を育てていくことが大切です。これさえ、できていれば、その後、しつけや勉強も、自然と身についてくるのです。
子どもの自己評価を育むために大切なことが、「甘え」を大切にするということです。
例えば、子どもが求めてきたら抱っこをする、とか、泣いてきたら、よしよしと言って、抱きしめてやるということです。そうすることで、子どもは、「自分は大切にされている」と感じ、自己評価が上がります。よく、「抱きぐせをつけてはいけない」という人がありますが、それは間違っています。今、専門家の中で、そのように言う人はありません。小学生くらいまでは、大いに抱っこしていいと思います。
しかし、「甘えさせる」と「甘やかす」ということは違います。「甘えさせる」とは、「抱っこしてほしい」「話を聞いてほしい」などの、情緒的な要求にこたえていくことで、とても大切です。「甘やかす」というのは、物質的な要求を無制限に認める、子どもが要求する物を何でも買い与えることで、これはよくありません。その判断は難しく、その都度考えていくしかありません。ただ私は、「どこまで子どもの要求を受けとめてやればいいのですか」と相談を受けると、その時点で、このお母さんは大丈夫と思うんです。悩むということは、子どもが親に主張してきている、自己主張が育っているということで、いい子育てをしておられる証拠だからです。
わがまま、口答え、反抗が出てくると、親は大変です。しかし、それは、自己主張の表れであり、子どもが成長してきたサインなんです。反抗したら不安になるのではなく、安心してください。それでも、どうしても、叱らなければならない時には、叱り方があります。何か悪いことをして注意する時、その前後を相手の長所ではさみましょう。そうすると、子どもは叱られてはいますが、認めてもらった部分もあるので、素直に反省することができます。それを逆にすると、子どもは、自分の存在自体を否定された気になり、「自分なんかいないほうがいいんだ」と思ってしまいます。順番が大切です。
子どもをどう育てるかということと、同じくらい大切なことが、お母さんのサポートです。今、少子化対策ということで、全国で子育て支援が取り組まれていますが、なかなか成果が上がっていないようです。経済的な不安ということ以上に、お母さん自身の子育てに対する不安が、非常に大きくなっているということが、大きく背景にあると思います。
女性の社会進出が進み、かつては男は仕事、女は家事・育児だったものが、今は、男は仕事、女は家事・育児・仕事と、女性の負担だけが増えてしまいました。心に問題を抱える子どもたちと接していると、母親との関係が悪いというケースが、たしかにあるのですが、それは、母親の責任ではありません。家事も育児も仕事も、1人で抱えていたり、周りから否定的なことばかり言われ、余裕がなくなってしまっているということがあるのです。おじいさんやおばあさんをはじめ、周囲の人が、母親を批判的に見るのではなく、温かく見守り、サポートしていくことが大切です。
もう1つ大切なのは、お母さん自身の自分へのサポートです。世の中にはいろいろな人があり、違うことを同時に言われたりもします。その時に大切なことが、境界線を引くということです。「人は人、自分は自分」と線を引くということです。人の意見を聞くことは大切ですが、他人は自分の家の事情を全部知って言っているわけではないのだから、意見を参考にしながら最後は自分で決めていいんだということです。実際に、現場のお母さんの意見がいちばん正しいということがほとんどです。
今の子育ては、昔に比べて決して悪くなっていません。子が宝なら、母もまた宝ですから、みんなでサポートしていくことが、大切です。
子育てをする父親や母親向けに、イラストとマンガで分かりやすくアドバイスした「子育てハッピーアドバイス」の発行部数が40万部を超え、十勝でも人気を呼んでいる。ぬくもりのある絵とメッセージが評判だ。
同書は、医師で小学校のスクールカウンセラーを務める明橋大二さん(真生会富山病院心療内科部長)が文章、一児の母の太田知子さんがイラストとマンガを担当。
育児の悩みについて、母親や父親の視点に立ちながら、子供の成長課程に応じ具体的なアドバイスをしているのが特徴。明橋さんは同書の中で「子供に心配な症状が出るのは、しつけがなされていないからでも、わがままに育てたからでもない」とし、大切なのは「愛されている」といった子供自身の「自己評価」や「自尊感情」を高めることだとしている。
さらに、「子供の話を聞くときは相手の言葉を繰り返す」など、子供との接し方について細かく紹介。働く母親が増える社会を考慮しながら、「(母親が育てるという)三歳児神話は合理的な根拠はない、大切なのは外野の声に惑わされず自分自身のスタンスで育児をすること」とアドバイスしたり、「父親の育児は『手伝う』や『参加』ではなく、母と同じく日々ついて回るもの」と父と育児の関係についても触れている。
管内各書店でもベストセラーになっており、ザ・本屋さんWOW店では「発売同時から上位の売れ行き」という。現在、2巻まで出ている。価格は1巻が980円、2巻はQ&A方式で880円。
育児書では異例のベストセラー「子育てハッピーアドバイス」シリーズは第1弾、第2弾合わせてミリオンセラーに迫る勢い(6月下旬現在)。日本中の愛読者から感謝の声がとどまることがない。第1弾は書名『毎日が初心者の親のための 親切な育児の本』として韓国で刊行された。精神科医でスクールカウンセラーの著者が伝える子育てに大切な知識。
初めて子どもを持つ親が悩まされがちな「育児神話」を吹き飛ばす育児書がヒットしている。イラストや4コマ漫画を多用した「子育てハッピーアドバイス」は昨年12月の発売以来、55万部を突破した。「甘やかさないことが自立ではなく、十分に甘えた人が自立する」と説き、子育ての不安感をぬぐい去る。著者は精神科医の明橋大二さん。先ごろ京都市内で開かれた明橋さんの講演会をのぞき、子育てに必要なエッセンスを聞いた。
子どもの問題行動の根っこには「自己評価」の極端な低さがある。「自己評価」は、自分は大切な存在、生きていていい、という意識。文部科学省の調査では中学生の2人に1人が「自分は役に立たない人間」とし、「他者に劣らず価値がある」の回答は3割程度。子どもへの要求水準が高く、もっともっとと追いつめられている。
心の成長は、0─3歳の「自己評価・肯定感」を土台とし、4─6歳の「しつけ・生活習慣」、7歳以上の「勉強」と積み上げられる。これまでの子育て論は、この土台部分ができているものとして省かれてきた。いま気になるサインを出す子をみると、その前提条件が育っていない。土台がないのにしつけや勉強を教えても身につかず、余計に自己評価を下げてしまう。「どうせ」が子どもの口から出ると相当自己評価は低い。SOSのサインだ。
しかってもいい子
何事にも前向きな子や、性格的におおらかで物事にこだわらない子は、しかってもいい。一方、気が小さく憶病な子や萎縮する子はしかるのに注意が必要。意地っ張りで頑固な子や口答えする子は一見かわいげがなく、いくらしかっても平気なようだが、実は人一倍ナイーブで傷つきやすい。言い分をしっかり聞き、教え諭すことが大切だ。
子どもの心は「依存=甘え」と「自立=反抗」の繰り返しで成長する。甘えたいときに甘えた人が自立できる。子どものとき十分依存すれば、安心感を得て自立への意欲がはぐくまれる。自立して不安が強くなると、また依存する。この行ったり来たりが、子どものペースでないといけない。現実には大人の都合で突き放したり、構い過ぎたりしてしまいがちだが、思春期を迎えるまでは十分に甘えさせて。
子どもの心は「手のひらの中の卵」のようなもの。締めつけすぎると壊れてしまうし、放しすぎても転がり落ちて壊れてしまう。ほどよい力で支え続けるのがいい。子どもの心の揺れにつきあうのは、後ろをついていくような気持ちで。
まず、話を聞く
話を聞くときは、うなずきながらや、相手の言葉を繰り返す。同じ言葉が相手から帰ってくると、分かってもらえているという気持ちになる。腹立ちや悔しい気持ちを「分かったよ」と伝えるだけでいい。答えは自分の中で見つけている。「頑張れ」ではなく「頑張ってるね」の言葉かけを。「ありがとう」は、お礼の言葉であると同時に、相手の存在価値を高める言葉になる。
◇
明橋さんは京都大学医学部を卒業後、国立京都病院などに勤務、現在は富山県射水市の真生会富山病院心療内科部長。スクールカウンセラーなども務め、思春期・青年期の子どもたちの心と向かい合っている。診療のかたわら、年間70─80回の講演をこなす。7月1日午後2時から、京都市中京区のこどもみらい館で講演会がある。
55万部の売れ行きを見せている子育てハッピーアドバイスの第2弾が発売された。世の親は子育てにいかなる悩みを抱えているのか? 著者である明橋大二医師にお話を伺った。
──なぜこのような本を書き始めたのですか。また、最近の子育ての悩みの傾向は?
子供の心のトラブルに関わる仕事をしていますが、子ども達と接し、世間が言う「最近の子どもは」という意見とは必ずしも一致しないことを感じたため、これから子育てをするお母様方にその実情を知ってもらいたいと思ったのです。
お母様方は、しつけをしっかりしなければと肩に力が入るあまり、子育てに行き詰まっています。もっと大らかにしていいのです。情報が多く、何が大切か分からなくなることが多いようです。
子育てハッピーアドバイス2
前作に引き続き、イラストと簡潔なQ&Aで綴られており、これまで受けてきた質問から特に大切なテーマについて取り上げた。注目は、発達段階に応じた「しつけ」のアドバイス。父親・祖父母へのメッセージも込められ家族全員がハッピーになれる1冊だ。
前作に引き続き、可愛いイラストと、Q&Aで繰り広げられる「子育てハッピーアドバイス2」。前作を読んだ弊紙読者から明橋先生へ質問があがった。
Q 仕事をいつかは再開したいのですが、1日の半分しか一緒にいてあげられないことでコミュニケーション不足が心配です。何歳まではそばにいてあげたらよいのか悩みます。(20代母親)
A お宅によってケースバイケースですが、時間よりも質なのです。仕事をする・しないで、子供の成長に差はないということはデータでも出ています。子育て・仕事両方いっぺんにやるのが難しいなら育児に専念するのも良いでしょう。1日中子どもと一緒にいるとストレスになるというなら仕事をして下さい。要はメリハリが大切なのです。○○しなければならないと考えず母子がハッピーになれるよう、肩の力を抜いて下さいね。
「子育て中って本を読む暇もない。でもマンガだからすぐに読めました」「書いてあることがすべて具体的! 子どもへの接し方が手にとるようにイメージできる」……等々、感謝のコメントや感想が書かれた読者アンケートハガキの戻り総数、なんと6600通! 驚異的な販売部数もさることながら、その反響の大きさには驚くばかり。
「12月の発売直後からものすごい売れ行きで、すぐに『2』の発売を決めました」と語るのは、編集部長の山崎豊氏。この爆発的なヒットを生んだ要因をお聞きすると
「内容はもちろんのこと、装丁やタイトルの評判もよかったですね。ポイントをわかりやすく説明したパネルを使っていただいたら、飛躍的に売り上げが伸びた書店さんが多かった。各種子育てネットやお母さん方のブログの中で熱心に薦めてくださる方もいらっしゃって、書店さんと読者の方々に応援していただいた結果です」
朝日、日経、毎日、産経などの新聞各紙で取り上げられることも多く、地方紙も含め十数紙に書評が掲載、母親以外の読者からも注目された。
最近、マンガ家や著名人の書いた育児コミックエッセイも多く刊行されているが、本書がそれらの本と大きく異なるのは「すべての人が参考にできること」と、山崎氏はいう。
「コミックエッセイはあくまでもその方の体験。けれど本書は心療内科のお医者さんが書いた育児書がマンガになったもの。臨床例も豊富な医師が書いているから、みなさんに信頼・納得していただけるんです」
刊行前にお母さんモニターに読んでもらってその意見を取り入れたり、子どもを寝かしつけながらでも読めるよう本の重さを軽くしたり、子育て中のマンガ家・太田知子さんに実体験に基づいた温かなイラストを描いてもらったり……と、本書にはお母さんの立場にたった嬉しい工夫がいっぱいなのである。
子どもたちとお母さんを見つめ、サポートし続けている明橋大二先生が、この本で伝えたかったことは"子育ての真実"。「抱きぐせをつけてはいけない」というのは間違い、叱っていい子といけない子がいる……など、子育て中に抱える悩みや疑問をやさしく解き明かしてくれる数々のアドバイスは、お母さんたちに大きな安心と自信をもたらしている。そして、そのすべてが「子が宝なら、母親も宝」「お母さんたちは本当にがんばっている」という明橋先生のメッセージへと通じている。
「"母親のがんばりを認めてくれてうれしい"という声が驚くほど大きかった。周りからのさまざまな意見に振り回されてきたお母さんたちが、先生のアドバイスを読み、"母親として自立できた"という意見も数多く寄せられています」と山崎氏。この1冊の登場で、日本の子育ては少しずつ変わってきているのかもしれない。
マンガを入れた子育て本「子育てハッピーアドバイス」が、発売から4カ月で50万部を突破するなんて、夢にも思いませんでした。もちろん、編集長の目も点になっていました。
愛読者カードは6000通を超え、その9割は、20〜30代のお母さんです。そのはがきを読んで、未婚の私は驚きました。なんて、子育てって大変なんだろう、と。「子どもが泣きやまず、どうしていいか分からず、キレてしまいそうです」「夫は、子育てに協力してくれません。子どもと、1日中、2人っきりでいると息が詰まりそうです」「しゅうとめや周囲から、いろいろ言われて、『私は、どうしたらいいの!』という心境です」。お母さんたちの悩みが、赤裸々につづられています。少子化になるのも無理はない、と現実の一端を垣間見た思いでした。
しかし、そんな読者が「この本を読んで心が軽くなりました」「イライラの子育てが、楽しみに変わりました」「母親の立場に立ってくれる本は初めて」などと、喜びあふれる文章で、「読んでよかった」と書いてくださっているのです。
こんなにも多くの人の心を救うのは、カウンセラーであり、精神科医である明橋大二先生の優しい言葉が、そのまま薬になっているからではないでしょうか。女性の味方!といえる本を世に送り出すことができて、編集者としても幸せです。
5年間に出した16冊の本が、すべて外れなしのベストセラー。本が売れない時代に、東京・神田の小出版社が常識破りの快進撃を続け、注目を集めている。
2000年創業の「1万年堂出版」。編集スタッフ5人、営業と合わせても約20人しかいない。しかし、「光に向かって100の花束」65万部、「なぜ生きる」45万部、「輝ける子」34万部……。昨年12月に出した「子育てハッピーアドバイス」もすでに30万部だ。「とにかく息長く売れる本が多い」と、丸善・丸の内本店の売り場担当・上村祐子さんも驚く。
歴史的人物に学ぶエッセーや、精神科医による子育てアドバイスなどの本が多いが、著者は無名に近い人ばかり。大きな組織の後ろ盾もない。
では、なぜ売れるか――。同社の山崎豊編集部長(46)は、その秘密について、「徹底的に読者の声を取り入れた本作り」と打ち明ける。
新刊はあらかじめサンプル版を作り、内容や装丁について読者モニターから意見を聞き、9割方が満足するまで修正を重ねる。「納得いくものができなければ出さない。だから、年間3冊出すのが精いっぱい」と山崎部長は苦笑する。
さらに、書店ごと、コーナーごとに帯の文面を変えるなど、きめ細かい営業努力を怠らない。「装丁から宣伝ポスター、帯まで、すべて社内で作っているから可能。やれることは何でもやろうという感じです」
同社の母体は、富山県のアニメビデオ制作会社。「この出版不況に、素人同然の人間が出版社を作るなんて無謀」とも言われた。だが今や、絶版なし、返本率1割以下の同社は"優良企業"として、大手出版社の幹部も舌を巻くほどだ。
ただ1人の女性スタッフで装丁デザイナーの遠藤和美さん(32)は、食品パッケージのデザインから転身した。「内容が深刻でも、明るい装丁を心がけています」
昨夏、「いじめにあって自殺したい」という女子中学生からの手紙が編集部に届き、遠藤さんは「力になりたい」と懸命に返事を書いた。最近、「おかげで元気になりました」という礼状が来て、ホッとしている。こうした読者とのキャッチボールが最大の財産だ。「顔は見えなくても、本を通じて読者とつながっているんだなと思います」
「今 話題! 分かりやすいマンガ子育て本登場」と題して、『子育てハッピーアドバイス』が、平成17年12月13日、富山県のニュース番組「イブニング・ニュースとやま」(チューリップテレビ=TBS系列=)で取り上げられました。(約3分半)
「子育てに悩む親に向けて、最近では様々な子育て本が出ていますが、県内の精神科医が書いた子育てのアドバイス本が、今話題を集めています」
アナウンサーの紹介に続いて、著者の明橋大二医師が、インタビューに答えました。その一部を掲載しましょう。
──マンガ形式にした理由は。
明橋医師「子育てで余裕がないお母さん、仕事で朝から晩まで働いているお父さんにとっては、とても本を読む気にはなれないと思います。マンガの形であれば、時間がなくても、手に取って読んでもらえるのではないか、と思ったからです」
明橋医師「子どもの甘えがあって、初めて親も愛情をかけることができるのです。実際に、甘えてこない子どもに、愛情をかけることは難しいです。愛情を大事にするんだったら、子どもの甘えも大事にしないといけないのです」

──周囲のサポートとは。
明橋医師「母親の、子育ての苦労を認めていくことです。『がんばって、子育てしてるね』とか、『よく育ててるね』というような、温かい眼差しを、おじいちゃん、おばあちゃんや、学校の先生、地域の人たちなどが、みんなで持っていくことが大切です。温かく子育てを見守っていくことが、今の子育て支援に、一番必要なことだと思っています」
『子育てハッピーアドバイス』は、発売早々、読者の方々から、「マンガで分かりやすい」「子育てに自信がついた」「育児の合間にサッと読めるのでうれしい」など、続々と愛読者カードが届いています。
今後ますます、話題を呼びそうです。
射水市のNPO法人(特定非営利活動法人)子どもの権利支援センター「ぱれっと」の明橋大二副理事長(46)が「子育てハッピーアドバイス」を出版した。
「ぱれっと」は、射水市三ケでいじめや不登校に悩む子どもたちの居場所「ほっとスマイル」を運営している。明橋さんは真生会富山病院(同市下若)の心療内科部長を務める傍ら、市内の小学校でスクールカウンセラーとして、子どもやその保護者からさまざまな相談を受けている。
「子育てハッピーアドバイス」では、子どもの良さをまず認め、子どもに「自分は存在価値のある人間なんだ」という気持ちを持たせることが大切としている。
「甘やかす」ことと「甘えさせる」ことの違いや「しかっていい子」と「いけない子」の違いなど、育児中の親が疑問に思うことを、漫画やイラストを使って、分かりやすく描いている。子育て中の母親へのサポートの必要性も説く。
明橋さんは「子育てに悩んでいる人はなかなか本を読もうという気がわかないだろうが、見ただけで(内容への)イメージがわくようにしたので、ぜひ手に取って」と話している。
心療内科医の立場から、お母さんや子どもたちを優しくサポートしてくださる明橋先生。約1年ぶりの新刊はマンガとイラストをふんだんに使った『子育てハッピーアドバイス』。"本当に読んでほしい人にしっかりと届けたい"。
誰もがすぐに読めるこの本には、そんな先生の願いがいっぱい詰まっている。
本書の刊行意図を明橋先生にうかがった。
"本当に必要な人が手に取りやすいように、少しでも読みやすく"。今までの著書の中から一番伝えたいエッセンスを抽出したこの本を、イラストとマンガという形で表現したのは、そんな願いがあったから。子育てに不安を感じながらも本を読む時間も余裕もないお母さん、子どもは"母親任せ"というお父さん、子育てする人を取り巻くさまざまな人たち……そして心ならずも我が子を虐待してしまい、苦しんでいる親御さんに、どうしても子育ての真実を伝えたかったのです。
今回この本を一緒に作ったマンガ家の太田知子さんは1歳のお子さんを持つお母さん。ですから、この本には、"母親の視点"がたっぷりと盛り込まれています。既刊を参考に、彼女自身の体験も交えて描かれたマンガには、きっと多くのお母さんが共感してくださることでしょう。
本書で一番多くページをとってあるのが"甘え"について。昨今、子どもに何か問題があると「ちゃんとしつけてこなかったせいだ」と周りは目くじらをたてますが、幼い子ども、特に3歳までの幼児にルールを教えても理解などできません。この時期、子どもにもっとも大切なのは"甘えさせること"なんです。よく「子どもには愛情をかけよう」って言いますよね。それを否定する人は誰もいない。でも親が愛情を注ぐためには子どもの側からも愛情を求めてくるアクションが必要なんです。そのアクションこそが"甘え"。実際、ちっとも甘えてこない子に愛情を伝えるのはとても難しいはず。愛情と甘えはどちらが欠けても成り立たない車の両輪みたいなもの。愛情を大切にするなら、子どもの甘えも大切にすべきなんです。
甘えを満たされた子どもには相手に対する信頼感と「自分には存在価値があるんだ」という自己肯定感が生まれます。逆に甘えられなかった子どもは「自分は甘えさせてもらう価値のない人間」と思い込んでしまい、相手に不信感を抱いたり、攻撃的になったりと、心に問題をかかえてしまう。この"自己肯定感"の基礎が築かれるのは生まれてから3歳くらいまでの間。それがあって初めてしつけをしたり生活習慣を教えることが可能になるんです。ですから、お母さんは周りの言葉に翻弄されず、子どもを思いきり甘えさせ、愛情を伝えてあげてください。それが、子どもたちが成長し、生きていくうえで一番大切な基礎となるのですから。
『子育てハッピーアドバイス』
『この子はこの子でいいんだ。私は私でいいんだ
ある、不登校の親の会でのことです。1人のお母さんが、硬い顔で黙っておられました。話を聞くと、その方の息子さんは母親への反発が強く、いつも母親に、ボケ、死ね、としか言わない。包丁を向けられたこともありました。「いったい親を何だと思っているのか。本当にもう、どうしたらいいか分かりません」。
その時、別のお母さんが、尋ねられました。
「あなたは、子どもに対して、謝罪されたことがありますか?」
一瞬、場がしーんとなりました。先ほどのお母さんは、驚いたような顔で、「……確かに、謝罪したことはないかもしれません」とおっしゃいました。
尋ねたお母さんは続けられました。
「私は、子どもが不登校になってから、いろんな本を読んで、私の接し方でいろいろ間違っていた点があったな、と分かってきたんです。その時、私は率直に子どもに謝りました。
それからです、子どもが少しずつ元気になってきたのは……」
子どもへの謝罪をすべきかどうか、はいろいろな考え方があると思います。
謝ってばかりでは子どもは親を信頼できなくなりますし、良いこととは思いません。
しかし、同じ人間として、本当に悪いことをしたと思ったら、たとえ親であっても率直に謝るべきだと私は思います。
子どもが求めているのは、間違いを犯さないことではなく、間違いを犯したら、子どものせいにしないで、率直に自分の非を認める、その誠実さではないかと思うのです。
明橋大二氏は昭和34年生まれ。精神科医。著書には『輝ける子』『翼ひろげる子』『この子はこの子でいいんだ。私は私でいいんだ』など。
凶悪な少年犯罪や非行に走る子どもが相変わらずマスコミを賑わしている。これらの続発を防ぐには何より子どもたちの心を理解することが重要とされるが、その手がかりについて説いた本「親にも先生にも言えなかった……子どもの心」が1万年堂出版から発行された。
著者は、長年弁護士としてさまざまな事件を起こした子どもたちに関わってきた二木克明氏(NPO法人子どもの権利支援センターぱれっと監事)。
「凶悪事件が起こると、周囲の大人は『ふだんは真面目でおとなしい子なのに、なぜ?』と口にしますが、これは子どもの心をまったく理解していない証拠。われわれ弁護士や裁判官は仕事柄、事件を起こした子どもの生い立ちに触れる機会が多々ありますが、見ていくと、そこには必ず理由があることがわかります。どの子も大人には計り知れない悩みや不安を抱えており、気持ちが爆発する前に親身に話を聞いてあげていれば事件は予防できたのでは、と思うと残念でなりません。そこで、問題解決の一助になればと本書を著したのです」と二木氏。
本書では、誰にも打ち明けることができずに一人苦しんでいた子どもたちのそれぞれの胸の内を体験談として紹介。そして二木氏が、恐喝やいじめによる自殺、万引きなどの事例に対し弁護士としてどのように関わったかを、法的な問題の解説などを加えながらやさしく丁寧に綴っている。
「少年非行の根本に親の愛情不足が指摘されていますが、粗末に扱われてきた子は他人も粗末にしてしまうのは自然の理。そこに『厳罰』はまったくの逆効果で、愛情をもって子どもに接することが肝心です」
Q&A「親と子の法律相談所」、各都道府県の弁護士会連絡先リストも掲載。もし不幸にして問題が起こってしまったら、できるだけ早く弁護士に相談してほしいと二木氏はいう。
「話がこじれてからでは遅すぎます。弁護士への相談は敷居が高くてと言われがちですが、本書でそんなイメージも払拭できればと願っています」
凶悪な少年事件が発生すると、「ふだんは、まじめで、おとなしい子が、なぜ!」と、マスコミがセンセーショナルに報じることがあります。これは「周囲の大人が、その子の心を、全く理解していなかった」という証拠ではないでしょうか。
親御さんたちは、わが子の心を分かってやりたいと思いながら、仕事などが忙しく、子どもとゆっくり話す時間が取れません。一方、年頃の子どもたちは親との距離を取るようになり、ますます親の心配は募ります。
学校ではちゃんとやっているんだろうか、犯罪に巻き込まれないだろうか、うちの子は何を考えているんだろうか……。
永年、弁護士として、事件を起こした子どもにかかわる中で、私が感じてきたことがあります。
子どもたちは、大人には想像できない悩み、不安を抱えていながら、親にも、先生にも言えず、苦しんでいます。誰かが親身になって話を聴いていれば、爆発する前に、解決できたのでは、と思うと残念でなりません。
私たちが、子どもの心を、もっと知らなければ、悲劇の続発を防ぐことはできないでしょう。
非行を繰り返す子どもは、心の中に大きな「不安」を抱いています。非行を解決するには、心の中に抱えている不安を理解することが重要なのです。
しかし、事件を通じて出会った非行少年の多くは、家庭の中に居場所を見つけられず、誰よりも自分を理解してくれているはずの親から理解されていないという不安、それが高じると、自分は親から必要とされていないのではないか、愛されていないのではないか、という不安を抱くのです。
子どもがいちばん望んでいるのは、「自分を理解してほしい」ということです。その心の渇きが満たされたならば、非行は次第に落ち着いていきます。親が子どものことを心配し、真っ正面から向き合っていけば、必ず立ち直ることができるのです。
この本が、親と子の未来に、明るい希望をもたらす一助になれば幸いです。
南安曇郡豊科町出身で金沢市在住の弁護士、二木克明さん(44)が、いじめや非行による悲劇がなくなることを願い、初の著書「親にも先生にも言えなかった……子どもの心」を出版した。少年事件を通じて子どもと親、教師らと向き合ってきた経験から、子どもの気持ちや事件の背景、いじめや犯罪から守る手だてを紹介。二木さんは「子どもが悩んでいる時に、いつでも相談に乗れる親子関係をつくって」と、著書に込めた思いを語る。
高校時代、太宰治を愛読していたという二木さんは、都内の大学の文学部に進学。一般教養の法学の講義で「人間の生き方、人間社会と深く関係している」法律の世界にひかれ、司法の道に。金沢や大阪で検事を6年間務めた後、1995年に弁護士になった。7年ほど前からは金沢弁護士会子どもの権利委員会の委員として、いじめや非行に悩む親子らの相談にも当たっている。
「少年事件の基本的な背景は共通している。生活環境を整えれば、十分に防げるのが犯罪」というのが、これまでの経験に基づいた二木さんの持論。少年事件を「特異な人が、特異なことをした」と見る世間の反応に、「それだけでは犯罪の予防につながらない」と感じていたことが、今回の出版のきっかけという。
著書は「おとなしい中学生が、なぜ、『カツ上げ』で逮捕されたのか」(第1章)というように、幾つかの事例を掲載。恐喝やいじめを放置することで、被害者がやがて加害者になってしまうケースがあることや、子どもが「いじめられている自分が恥ずかしくて、誰にも言えない」と考え、親や教師が事態に気付かない場合が少なくないこと、両親の不和や親による体罰、暴言が非行の大きな要因になっていること──などを指摘している。
「どの非行少年も自分に対する評価が極端に低く、不安を感じている。自分は生きる価値のある存在だ、と知らせてあげることが必要」と二木さん。いじめに対しては「弁護士に依頼して、恐喝罪や傷害罪といった犯罪行為であることを、きちんと相手に教える警告書を出すべきだ」といった具体策を挙げている。
同著は四六判、228ページ。NPO法人(特定非営利活動法人)「子どもの権利支援センターぱれっと」(富山県小杉町)を二木さんらと運営する精神科医、明橋大二さんが、子どもの心理面からのアドバイスも寄稿している。
昨年、書店で買い求めてから何度も繰り返し読み続けている。
子ども向けの寓話(ぐうわ)・昔話にも、実は大人も勉強になる深い意味がある。学校で教えられる古典にも教訓が隠されている。戦国武将の言葉からも学ぶことがたくさんある。
このように、いろんな題材を用いて生きるヒントを与えてくれる1冊である。ページをめくるごとに元気がわいてくる。
その中で、私が一番心を打たれたのが、「雨だれの説法」である。
明詮という若い僧が、熱心に仏法の学問と修業に打ち込んでいたが、3年たっても一向に魂の解決のめどがつかない。明詮は、勉学・修業をあきらめ、師匠に、永遠のお暇を願い出た。明詮は泣きながら寺を出た。
ところが、大雨が降ってきて、山門の下で雨宿りをしていた。何となく見ていた屋根から、雨だれがポタポタと落ちている。すると、その水滴は地表の石にぶつかり、砕け散っていく。石にできたくぼみを見て「硬い石に、なぜ、こんな穴があいたのだろう……」と考えた。それはほんの数ミリのくぼみだったが、何年も何年もかかってできたものだった。日々の積み重ねということだ。
この雨だれから受けた大説法により、明詮は前にも増して真剣に仏法に努力精進した。後に、「音羽の明詮」といわれる大徳となった、という話である。
この話から、続けることの尊さを感じた。まさに「継続は力なり」である。すぐにあきらめる前に、まずは続けてみることが大切だと、われわれに投げ掛けてくる。
精神科医、またスクールカウンセラーとして活躍している明橋大二氏。『輝ける子』 『翼ひろげる子』(いずれも1万年堂出版)などの著者である明橋氏に、母子関係についてアドバイスをいただいた。
私のもとに、こういう質問が寄せられました。
「7歳の子が、ちっとも言うことを聞かず、私もついイライラして大声で怒ってしまいます。先日、とうとう息子から『お母さんなんか大嫌いだ』と言われてしまい、とてもショックを受けました。いっそ自分はいないほうが、いい子に育つのではないかとさえ思います。私はどうすればいいでしょうか」
「お母さんなんか大嫌いだ」という言葉、確かに、がっくりきます。でも、こういう子どもは、お母さんがいなくなることを本当に望んでいるかというと、決してそうではありません。
虐待を受けている子どもは、決してこのようなことは言いません。叩かれても殴られても、「お母さんがいちばん好き」「お母さんはいい人」と、親をかばいます。親から見捨てられまいと、必死で愛されようとしているのです。嫌いなんて言おうものなら、本当に見捨てられるのではないか、という恐怖が極めて強いからです。
逆に言えば、「お母さんなんか嫌いだ」と言える子どもは、お母さんは決して自分を捨てない、という安心感を持っていると言えます。母子間の基本的な信頼関係が十分にできているから、そう言えるのです。実はお母さんを誰よりも頼りにしている、お母さんが大好きな子どもなのです。子どもが求めているのは、できのいい、優秀な母親ではありません。どんな母親であっても、かけがえのない、世界でたった1人の母親として求め、必要としているのです。
ですからこの場合も、決して自信を喪失する必要はありません。むしろ、ちゃんと母子関係ができていることに自信を持って、でも、子どもが、怒ってばかりじゃ嫌だ、と言うのも本当の気持ちなので、「確かに、お母さん、ちょっと怒りすぎていたから、それは反省するわ。でも、あんたも、ちょっとは言うこと聞きなさいよ」と返せば、それでオーケーだと思います。
産経新聞の「産経書房」に、『こころの朝』が紹介されました。(平成17年5月7日)
「この本を読んで、仕事で高ぶった感情を鎮めることができました。内容がとてもさわやかで、まるで夜が朝になったような読後感が持てました」(45歳・男性)
発売後、最初に届いた愛読者カードには、こう記されていました。企画の意図が、ズバリ読者に伝わった手応えを感じた瞬間です。
この本には、戦国武将や明治の実業家、西洋の著名人が、苦しみや困難を乗り越えたエピソードが集められています。
また、子供でも知っているイソップ物語の中に、実は、大人向けの生き方のヒントが隠されていたことを、25話をもとに明らかにしています。
これらの中に、特別な教訓はありません。
「簡単にあきらめず、努力せよ」「約束は必ず守るべし」「人の和を大切に」「相手の立場に立つ」「ウソをつかない」「命を大切に」など、当たり前のことを、ストレートに表したものばかりです。
当たり前のことが見失われ、道徳観の欠如が叫ばれている昨今だけに、かえって新鮮な読後感を与えてくれるのでしょう。
巻末には、「私の座右の銘」と題して一般から公募した体験談を掲載しました。約600人から投稿がありましたが、意外にも、格言や名言ではなく、身近な人の言葉を挙げる人が多かったのが特徴です。
それは、親から子へ、先輩から後輩へ、友から友へなど、人と人とのぬくもりが伝わってくるものばかりでした。
ちょっとした一言や、たった1つの教訓が、人生を変えることがあります。忘れかけていた、大切なものを思いださせてくれる1冊です。
1万年堂出版編集部

平成17年の4月から7月にかけて、フジテレビ系列、全国で放送中の教育番組「テレビ寺子屋」に、『輝ける子』シリーズの著者・明橋大二医師が出演しました。各局で2回の登場でした。
最も早い放送となったテレビ静岡では、4月2日から第1回が始まりました。
「子どもの気になる症状について、『しつけがなされていない』『わがままに育てたから』というのは本当の問題ではありません。一言でいうと『子どもの自己評価の、極端な低さ』です。自分が生きていることに自信が持てないことです」
「しつけも勉強も大事ですが、今一番大事なのは、子どもが自分を肯定できる、存在価値のある人間だと思えることです」
黒板を使っての分かりやすい説明を、聴講者は真剣に聴き入っていました。
また、番組の冒頭では、明橋医師の著書『輝ける子』『この子はこの子でいいんだ。私は私でいいんだ』が紹介されました。
今日は、初登場、3位にランクインしました木村耕一さんの『こころの朝』をご紹介します。
木村さんは、この本について、
「歴史上の人物のエピソードや寓話を、自分の生き方にあてはめて読んでみると、これまでにない発見があるはずです」
と冒頭で述べています。
その教訓の一部をご紹介しましょう。
「一歩一歩、着実に積み重ねていけば、予想以上の結果が得られる」。これは豊臣秀吉の言葉。
「夢を持つと、苦難を乗り越える力がわいてくる」。考古学者・シュリーマンの言葉。
そして、イソップ寓話からは、
「調子のいい時が、いちばん危ない」
「使わないお金なら石と同じ」。
このように偉人のエピソードやイソップ物語などを交えて、60近くの教訓が紹介された『こころの朝』。
高校など、学校からの注文も多いそうです。
生き方や進路に悩む人のヒントになれば、ということです。
親と子の熱いドラマを描いた、『親のこころ』 『親のこころ おむすびの味』に掲載されたエピソードが、テレビ東京系の人気番組「北島ウインクハート」で2週続けて放送され、反響を呼んでいます。
「北島ウインクハート」は、歌手の北島三郎さん、アグネス・チャンさん、水町レイコさんが司会を務める、「家族の絆」をテーマとした番組です。
「サブちゃんのちょっといい話」のコーナーでは、心温まる物語が、アニメ風のドラマ仕立てで紹介されています。



平成17年1月23日の放送では、「父の思いやり」と題して、『親のこころ おむすびの味』に掲載された体験談の1つ「何も相談せずに離婚した時に……」が紹介されました。両親に黙って離婚した娘と、何も聞かずに娘を信じ、遠くで優しく見守り続ける父の物語です。
体験談のあと、北島さんはこう話されました。
「親っていうのは……、そうなんだよなぁ、いつもね、本当にしらばっくれたような顔してるけど、どっかでちゃんと見てるの。
目の前にいなくても、姿が映んなくっても、この頭の中には、いつもあるんですよ。あの子、今頃こうしてんな、こうしてんじゃないかって」
また、同年1月30日の放送では、『親のこころ』の「西郷隆盛 母を見て泣いた」が取り上げられ、西郷隆盛の幼少時のエピソードが、出演者の心を打ちました。
全国に感動を届けた『親のこころ』シリーズが、今後も注目を集めそうです。
「子供のことを、 |
![]() |
![]() |
「子供がいざという時、頼って こられるような港になりたい」 (アグネス・チャンさん) |
最近、少年事件や子どもの問題がマスコミに出るたびに、まずやりだまに挙げられるのは、お母さんです。「母親が甘やかしたから」「母親のしつけがなっていないから」「過保護だから」。しかし、問題の本当の背景は、決してそういうところにはないし、ましてや母親の育て方だけが原因ではありません。ところがそんな心ない言葉によって、母親たちは、よけい不安になり、子育てにプレッシャーがかかる、それがまた母子関係に影響して悪循環になる。
そういう現代の子育て状況の中で、今いちばん大切なことは、母親を責めることではなくて、周囲でちゃんと支えること、そして不安ではなく、安心をあげることです。子どもを支えているのはお母さん、お母さんが不安定になれば、子どもも不安定になります。逆にお母さんが安定するだけで、子どもの様子が落ち着いてくる、そんな例をたくさん経験してきました。
そして、お母さんを支えるいちばんのパートナーは、何といってもお父さんです。仕事で精いっぱいだというお父さんにも、心がけ次第でできる子育てがあります。それを少しでも実行すれば、お母さんはとても安心するし、子どももとっても喜びます。そしてそれはお父さん自身にも必ず返ってきます。
近年、熟年離婚といって、定年ごろに奥さんから三くだり半を突きつけられる悲劇が後を絶ちませんが、その夫婦の溝がどこから出たのかというと、実は、奥さんがいちばん大変な子育て時期に、夫が家庭を全く顧みなかったケースが多いのです。
夫婦で子育ての苦楽を分かち合うことは、夫婦のコミュニケーションにもなり、親子のきずなもできる、童心に帰ってストレス解消にもなる、職場の人間関係のヒントにもなる、実はお父さんの人生をとても豊かにすることになるのです。
「今週はですね、初登場の2冊のうち、『この子はこの子でいいんだ。私は私でいいんだ』に注目しました。子育てに奮闘する母親を励ます内容の子育ての本なんですが、作者の明橋大二さん。一体どんな人なんでしょうか? 訪ねてみました」
と、取材班が富山県の病院へ。
診察室での明橋先生のインタビューが放送されました。その一部を紹介しましょう。
〈ナレーター〉
「作者の明橋大二さんは、心療内科のお医者さん。普段の仕事は?」
〈明橋医師〉
「心のストレスから来ている体の病気を治すということで、話を聞いたり薬を出したり、そういうことをしています」
〈ナレーター〉
「永年の診療によって得た経験をもとに書かれたのがこの本です。カウンセリングする時いちばん大切なことは?」
〈明橋医師〉
「世の中の母親に対するプレッシャー、いろんな少年事件とかね、報道されて、それが全部、母親の子育てに責任があるみたいな、言われ方をするんですね。子供と同じくらい、やはりお母さんも追い詰められて、苦しんでいるのが分かるので、そのお母さんをまず、みんなで楽にしてあげましょう、そうしたら、子供も楽になる、ということですね」
〈ナレーター〉
「いちばん大切なのは、悩んでいる子供や母親に『頑張れ』ではなく、『頑張ってるね』と努力を認めてあげることだといいます」
CMをはさんで約5分間の登場でした。
『この子はこの子でいいんだ。私は私でいいんだ』は、発売早々から、よくマスコミに取り上げられています。
母親をめぐる問題は、今、社会的にも関心が高まっているようです。
真生会富山病院の心療内科部長、明橋大二さん(45)は、不登校や引きこもりについての講演に飛び回っている。今月には子育てに悩む母親を取り上げた本も出版。児童相談所や小学校でのカウンセリングにも携わっているが、「母親を支えることも、子を支えるうえで非常に大事だ」と訴えている。
小学校のカウンセリングでは母親とまず話すことが多い。病院でも、子どもだけでなく、母親の話も聞くが、「相談機関にいったが、逆に傷ついた親御さんは案外いる」と指摘する。
近年は家庭での教育力向上が言われる。少年事件が起きた際に親の責任を強調する政治家の発言もあったが、「しつけがなっていないとか、甘やかしているとか言うことで母親を追いつめ、焦る母親が、今度は子どもを追いつめてしまう」と話す。
育児への不安は、少子化や児童虐待にもつながるだけに「母親のサポートは大事なテーマだと思っている」。著書では父親が母親の育児の悩みに耳を傾けることや、周囲が母親を非難しないことなどを提言。「しつけをしっかり」というような抽象論でなく、子どもの発達に応じて、どのようにかかわればよいのか具体的な知識や技術が必要だと訴えている。
今年も県内外へ講演に出かけ、「50件ぐらいはいったと思う」と話す。
「子どものケアをしている医師は地方の県にはそんなに数はいない。もっと増えてほしいですね」
精神科医、スクールカウンセラーとして長年子どもや親の心の悩みと向き合っている真生会富山病院(大門町下若)の心療内科部長、明橋大二さん(45)が、「母親サポート」の視点で子育てについて書いた新著『この子はこの子でいいんだ。私は私でいいんだ』を1万年堂出版(東京)から出版した。「子どもを守るには、まず母親を支えなければならない」と明橋さん。日々子育てに奮闘しているお母さんへの温かい励ましと、周囲へのアドバイスをエッセータッチでつづっている。
明橋さんは大阪府生まれ。京都大医学部を卒業後、国立京都病院内科、名古屋大医学部付属病院精神科などを経て、平成6年から真生会富山病院で勤務。8年ごろから不登校や引きこもりなど子どもが抱える問題に取り組み、小学校のスクールカウンセラーや児童相談所嘱託医を務めている。
「子どもが何か問題を起こすと真っ先に母親が責められる、という社会の風潮が母親を苦しめている」と話す。核家族化や地域コミュニティーの希薄化が進み、仕事で忙しい夫は子育てへの関心が低い。そんな状況でだれにも悩みを打ち明けられず、1人で苦しむ母親が増えている。「これでは結局、子どもも倒れてしまうことになる」
これまで、子どもが必死で大人に発している"心のSOS"に気付いてもらおうと、『輝ける子』『思春期にがんばってる子』『翼ひろげる子』(1万年堂出版)などの著作を発表した。平成14年に出した『輝ける子』は30万部以上売れた。
だが、子どもと一緒に相談に訪れる親と向き合う中で、「『しつけがなっていない』『甘やかしているからだ』と周囲から一方的に浴びせられる言葉に傷つき、自分はだめなんだ、と自信をなくしている母親は少なくない」と実感した。中には、「よく頑張っておられますね」とねぎらいの一言を掛けただけで涙を流す人もいるという。
新著は「お母さん、ありがとう」「家庭の教育力は本当に低下しているのか?」「母親が子どもの病気をつくるのか?」「おじいさん、おばあさんからのサポート」「地域の人たちからのサポート」など15章。具体的な事例をたどりながら、子育てをめぐる現状と支援策を探っている。
「母親の頑張りを認めてあげることで、自信を取り戻すことができる」「否定ではなく肯定の言葉で母親を応援しよう」など家族らへのアドバイスのほか、母親には「周囲の意見も参考にしながら、最終的に自分で判断して行動を決めればよい。自分を肯定することが大切」などのメッセージを送っている。相談者から多く寄せられる質問もQ&A形式で紹介した。
明橋さんは「『子育て支援』は現代のキーワード。夫や祖父母、学校の先生方にも読んでもらえたらうれしい」と話す。四六判、268ページ、1,260円。全国の書店で扱っている。
いじめ、不登校、家庭内暴力などの原因と対策を心療内科医の立場からやさしく説き、ベストセラーとなった「輝ける子」シリーズ。今回、明橋先生がスポットを当てたのは、そんな子どもたちを一番身近で支えるお母さんたち。母親を取り巻く辛い現状、そして何よりお母さんの元気をつくる先生の温かな言葉が再び反響を呼びそうだ。
不登校や心身症など、心を病んだ子どもたちの治療に日々取り組む明橋大二先生。子どもたちと関わっていく中でいつしか気づいたのは、人知れず悩み、ズタズタに傷つけられたお母さんたちの痛ましい姿だったという。
「子どもが非行に走ったり、不登校になったとき、まず周りから責められるのはお母さんなんです。育て方が悪かったとか、甘やかしたからだとか、非難の目は必ずといっていいほど母親に向く。ただでさえわが子のことで悩んでいるのに、自分自身まで攻撃を受けている。それも世間一般の人たちばかりでなく、相談機関と呼ばれるプロの人々からも。これは間違っているんじゃないか、子どもをサポートするには、まずそれを身近で支えているお母さんをみんなで支えていかなくてはいけないんじゃないかって。この本はそんな社会に対する僕からのメッセージでもあるんです」
子どもたちのSOSに気づき、それに対して大人がどう対処していけばいいかということを著した「輝ける子」シリーズ同様、明橋先生が発信するメッセージはいつもとても具体的だ。本書では、子どもたちが何か事件を起こすたびに取り沙汰される"家庭の教育力の低下"や"母性の欠如"などの抽象論を、現場で得た知識をもって糾し、実際どうすればいいのかという"スキル"の身につけ方を母親たちに示している。さらに彼女たちを取り巻く、夫、祖父母、保育園、幼稚園や学校の先生、相談機関などの人々に向けては、具体的な母親サポートの方法も記した。なぜなら"抽象的なこと"こそが母親たちを最も混乱させるということを先生は痛いほど感じているからだ。
「お母さんたちが一番傷ついているのが"愛情不足"という言葉。子どものことで悩んで、自分なりに努力して、それでもなかなかうまくいかなくて、そこで愛情が足りないと言われると"じゃあ、これ以上何をすればいいの?"と行き詰まってしまうんです。そこまで行ってしまったお母さんはどうなると思いますか?"私が母親だったから、この子はこんなことになってしまった。自分さえいなければ、この子はちゃんと育ったんじゃないか"という闇に入り込んでしまうんです。それはお母さんにとって本当に残酷で辛いこと。僕はそんな哀しいお母さんと数多く出会ってきました。そういう思いをさせるのは絶対にいけないことだと思う」
"愛情不足"という言葉はたしかによく聞かれる。それで何でも問題を片づけてしまおうとする風潮もある。"安易に使われ過ぎている──"と、先生は言う。根拠もなしに、相手の気持ちも考えずに。だからこそ当事者だけでなく、子育てに関わっていない人にも正しい知識を持ってほしい、と。
「若い世代の人も将来親になったり、お母さんと呼ばれる人たちと何らかの形で関わっていくわけです。それに、本来子育ては親だけがするものではなく、社会全体で考えていくもの。そこを理解してほしいというのが僕の願いです。それこそが犯罪や心の闇を減らし、大人も子どもも住みよい社会へと変えていく最大のキーワードだということも。そのためには正しい知識と現実を知ることが何よりも大切なんです」
タイトルの"この子はこの子でいいんだ。私は私でいいんだ"という言葉は、この混沌とした時代に子育てをするお母さんたちへ、周りの雑音に振り回されず"自分という軸"をしっかりと持ってほしい、あなたの感性を信じてください、という先生からの応援メッセージ。だがこれは世の中の人全般にも通じることではないだろうか。
「子育てって、人間関係をはじめ、世の中すべてに起きていることが、実は凝縮されているんです。そういう意味で本当に奥が深いんですよ」
『この子はこの子でいいんだ。私は私でいいんだ
『輝ける子
『思春期に
『翼ひろげる子主婦 山本里子 34
だれかにあいさつをしようと思っても、「相手が気付かなかったら」とか、「もしも無視されたら」などと考えて、つい気弱になってしまうことが時々あります。
そんな時、私は『光に向かって100の花束』の本の中にあった言葉を思い出すようにしています。
「なにが社会奉仕といっても、にこやかな笑顔と明るいあいさつほど、世の中を楽しくするものはない」。「笑顔とあいさつを出し惜しむ者ほどのドケチはない。ちょっと目もとの筋肉を動かし、わずか一言、二言を話すだけで人に幸福を与えることができるのに」、それすらケチっていて何になろう?
この言葉は、少し憶病になっていた私の心に勇気とやさしさをくれます。皆が明るく、笑顔であいさつを交わせる社会は、すてきだと思うから、私も頑張りたいです。 (石川県加賀市)
中学生 江口 憲太朗 (高松市 14歳)
ぼくは最近、1冊の本を買いました。『親のこころ』という本です。歴史上の人物の親の話や、現在のいろんな人たちが親のことで体験したことなどが書いてありました。子どもを勉強させるために母親が一人で働いた話や、苦労をかけ、気がついたら、やせ細って白髪になっていた両親の話などです。親のありがたみがすごく分かりました。
そこで、ぼく自身のことを考えてみました。この14年間、親に何かしてあげたでしょうか。ありがとう、と言ってきたでしょうか。こまらせるばかり、心配させるばかりでした。