日経MJ(流通新聞)
(H16年8月21日)
注目チャート書籍
はがきの力
 ここ数年、中高年を中心に「人生」をテーマとした書籍の人気が続いている。最新ランキングでも「ノンフィクションほか」で「親のこころ おむすびの味」(木村耕一編著)が6位に入った。様々な人の親に対する感謝の気持ちをつづったもので、今月10日に発売してから現在までに発行部数は6万部を超えた。
 似たような本がよく出るな――。そう思う人も多そうだが、ヒットには出版社の地道な努力が隠されている。発行元の1万年堂出版(東京・干代田)は2000年9月に発足したばかりの若い会社。これまでに出した書籍は今回で12冊にしかならないが、きめ細かな努力が奏功し、うち8冊が10万部を超えるヒット作になっている。
 その1つが、本に付けたアンケートはがきを活用した販促活動だ。同社では読者から返ってきたはがきを独自の「1万年堂新聞」にまとめ、2カ月に1度発行する。「読者の声を集めて、公表することで書店や読者の信頼を得た」(同社編集部)という。
 この本は、昨年夏に発売して15万部を売った「親のこころ」の続編だが、いずれもこのアンケートはがきを活用。はがきを送ってくれた読者から体験談を募集した。今回は1,000件以上が寄せられ、その中から70件を選んで掲載した。10代の若年層にも購読者は広がっており、3弾の出版も検討しているという。

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