タウンるぽ
(福島県のフリーペーパー)
(H19年10月号)
BOOK Review
思いやりのこころ
『大切な忘れ物を届けにきました』というキャッチコピーと、美しい風景写真がいまや定番となった1万年堂出版の「こころシリーズ」の最新刊が待ちに待って発売されました。今回は『思いやりのこころ』というタイトルどおり、普段から自分がほんの少しだけ家庭や職場、学校などで気遣いを持てるようになると、とても住みやすく心地よい世の中になれますよという問いかけに、色々な古今東西のエピソードと、読者からの体験談を取り込んだ構成になっています。たとえば、豊臣秀吉が天下をとった秘訣は、不平不満を言わず、毎日毎日の任務を一心不乱に務めるよう心がけたことの積み重ねであり、また、薪を背負い、本を読みながら歩く姿の銅像が有名な二宮金次郎は、農民でありながら小田原藩主、大久保忠真に見出され貧しい農村の財政立て直しを命じられます。武士が出来なかった農村の財政改革を二宮金次郎は着任以来、役所から指示を出すのではなく、常に現場に赴き農民と苦労をともにして成功を成し遂げます。現在、社会の組織の中で、常に現場の赴き部下と一緒になって汗水流す上司はいったいどのくらいいるのだろうと考えながらも、人を思いやる心は人それぞれ持っているものだと思います。この本は、日ごろのちょっとしたささいなことでも、自分は未熟だなあと感じてしまうような1冊です。だからこそ、生きていく上での大切な指南書だと私は思います。『今日ほめて 明日悪く言う 人の口 泣くも笑うも嘘の世の中』。こんなこと日常茶飯事なのでしょうけど、その中でひときわ輝く人たちがいることを忘れてはいけないと思います。

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