フジサンケイ ビジネスアイ
(H16年5月15日)
生きることに
少し疲れたら
こころの道
木村 耕一 編著
教育現場の荒廃や高齢化に伴う社会不安の増大……。社会の歯車が完全に狂いはじめている。こうした時代にこそ、先人の教え、言い換えれば心の琴線に触れるような話を改めて読んでみるのもいいだろう。
閉塞状況に置かれているのであれば、モノの見方をちょっと変えてみるという発想の転換も必要だ。そうした際に役立つのが、本書で取り上げた「人生の先輩たちの“かなりいい話”」だ。
具体的には、「目下の者に出す手紙ほど、丁寧に書かねばならない」(前田利家の教え)、「50歳からの勉学が、歴史に残る偉業を成し遂げた」(全国測量に従事した伊能忠敬の前向きな姿勢)、「人知れぬ努力があってこそ、名演説が生まれる」(1分の原稿に1時間かけたルーズベルト)など、古今東西59の逸話を紹介する。また、29人の読者から寄せられた、心を洗われるような短編も加えている。
生きることに少し疲れたときに、ビタミン剤代わりに手にとるといいだろう。優しい気持ちにもなれるかもしれない。