山口新聞
(H14年3月11日)
読書
生きる心得、
元気のヒント
光に向かって
123のこころのタネ
高森 顕徹著
 ボルネオ島ではオランウータンを捕らえる奇抜な方法があるという。
 アリックと呼ばれる強烈な酒を愛飲する島の人々は、数滴その酒を落とした水がめを巣の中に置く。間もなくオランウータンはそれを飲み干す。翌日から少しずつ酒の量を増やしていく。生まれつき、大酒飲みではないのだが、知らず知らず酒の味を覚え好むようになってしまう。
 やがて生のアリックをガブ飲みするようになる。散々酔っ払っているから、なんなく捕らえられるというのだ。
 この話で著者は「禁酒も禁煙も三日坊主、勤勉も努力も猫の精進で5日も続かぬ。せっかく、遠大な抱負を持ちながらささいな誘惑に腰を折り、ちょっとした困難に方針を翻すことのいかに多いことか」と述べ、『信念の達成には敢然として、万難を乗り越える覚悟がなければならない』との教訓をつづる。
 一見当たり前の模範解答に思えるが、やりとげるのは難しい。「分かっているけどねえ……」と聞き慣れたフレーズが脳裏に浮かぶのが心苦しい。

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