日本の名著『歎異抄』
親鸞聖人の教えが間違って伝えられていることを嘆いた、700年前の高弟が、その誤りを正そうと、泣く泣く筆を染めた書
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善人なおもって往生を遂ぐ、いわんや悪人をや。
(善人でさえ、浄土へ生まれることができるのだから、ましてや悪人は、なおさら往生できる)
これは『歎異抄』三章の一節である。日本の古典で、もっとも知られる一文だろう。
『歎異抄』は700年ほど前、親鸞聖人の高弟・唯円によって書かれたものといわれている。聖人亡き後、親鸞聖人の仰せと異なることを言いふらす者の出現を嘆き、その誤りを正そうとしたものである。
鴨長明の『方丈記』、『歎異抄』、吉田兼好の『徒然草』の順で、ほぼ60年間隔で成立している。
これらは三大古文として有名だが、なかでも『歎異抄』の文体に引き込まれるような魅力があり、全文を暗唱する愛読者のあるのもうなずける。
今日、『歎異抄』ほど、読者の多い古典は異数ではなかろうか。その解説書は数知れず、今も新たなものが加え続けられている。