(11)かんしゃくの、くの字を捨てて、ただ感謝
ある高僧のところへ、短気で困っている男が相談にきた。
「私は生まれつき短気者で困っております。短気は損気と申しますが、まったく腹を立てた後は、自分も気分悪うございますし、他人の感情も害して悔やむのですが、後の祭り、どうにもなりません。なんとか私のこの短気を、治していただきたいと思って参上いたしました」
ニコニコ笑いながら聞いていた高僧は、
「なるほど、聞けばそなたは、なかなかおもしろいものを持って生まれてきたものじゃ。治してしんぜるほどに、その短気とやらをひとつ、私に見せてもらいたい。今もお持ちかな」