1万年堂出版……千年も万年も読みつがれる!そんな願いをこめて……「大切な忘れ物を届けに来ました」
カズオ

■「はじめに」より

ふだんは、まじめで、おとなしい子が、なぜ!

 凶悪な少年事件が発生すると、
「ふだんは、まじめで、おとなしい子が、なぜ!」
と、マスコミがセンセーショナルに報じることがあります。
 これは、「周囲の大人が、その子の心を、全く理解していなかった」という証拠ではないでしょうか。
 永年、弁護士として、事件を起こした子どもに関わる中で、私が感じてきたことがあります。
 子どもたちは、大人には想像できない悩み、不安を抱えていながら、親にも、先生にも言えず、苦しんでいます。誰かが親身になって話を聴いていれば、爆発する前に、解決できたのでは、と思うと残念でなりません。
 果たして「子どもが言わない」のか……、「大人が言えない状況を作っている」のか。
 いずれにしても、私たちが、子どもの心を、もっと知らなければ、悲劇の続発を防ぐことはできないでしょう。

軽い「いじめ」だと思って放置していると、
短期間で、犯罪にエスカレートする場合がある

 また、子どもを、犯罪や非行から守るためには、「いじめ」の実態に、しっかりと目を向ける必要があります。
「いじめ」と聞くと、「子どものケンカ」程度に思って、深刻さを感じる人は少ないのではないでしょうか。しかし、実際には、恐喝罪、脅迫罪、暴行罪などの歴然とした犯罪に相当する行為が多いのです。
 いじめを苦に自殺する子どもも後を絶ちません。
 まじめな子であっても、強要されて罪を犯すケースもあります。
 軽い「いじめ」だと思って放置していると、短期間で、犯罪にエスカレートする場合がありますから注意が必要です。

 子どもが非行に走るのを防ぎ、まっすぐに育てるためには、家族のあり方や、子育て全般にわたっての支援が必要になります。
 しかし、これは弁護士や司法関係者だけでできることではありません。
 精神科医、教員、カウンセラーなどの専門家と一致協力し、みんなでサポートしてこそ、本当の解決の糸口を導き出すことができるのだと思います。

この本のトップ
目次
著者略歴
読者の声