凶悪な少年事件が発生すると、
「ふだんは、まじめで、おとなしい子が、なぜ!」
と、マスコミがセンセーショナルに報じることがあります。
これは、「周囲の大人が、その子の心を、全く理解していなかった」という証拠ではないでしょうか。
永年、弁護士として、事件を起こした子どもに関わる中で、私が感じてきたことがあります。
子どもたちは、大人には想像できない悩み、不安を抱えていながら、親にも、先生にも言えず、苦しんでいます。誰かが親身になって話を聴いていれば、爆発する前に、解決できたのでは、と思うと残念でなりません。
果たして「子どもが言わない」のか……、「大人が言えない状況を作っている」のか。
いずれにしても、私たちが、子どもの心を、もっと知らなければ、悲劇の続発を防ぐことはできないでしょう。
また、子どもを、犯罪や非行から守るためには、「いじめ」の実態に、しっかりと目を向ける必要があります。
「いじめ」と聞くと、「子どものケンカ」程度に思って、深刻さを感じる人は少ないのではないでしょうか。しかし、実際には、恐喝罪、脅迫罪、暴行罪などの歴然とした犯罪に相当する行為が多いのです。
いじめを苦に自殺する子どもも後を絶ちません。
まじめな子であっても、強要されて罪を犯すケースもあります。
軽い「いじめ」だと思って放置していると、短期間で、犯罪にエスカレートする場合がありますから注意が必要です。
子どもが非行に走るのを防ぎ、まっすぐに育てるためには、家族のあり方や、子育て全般にわたっての支援が必要になります。
しかし、これは弁護士や司法関係者だけでできることではありません。
精神科医、教員、カウンセラーなどの専門家と一致協力し、みんなでサポートしてこそ、本当の解決の糸口を導き出すことができるのだと思います。