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思春期にがんばってる子
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■目次
はじめに
――引きこもりや非行は「このままじゃ生きていけないよ」という彼らの心の叫び
1.家庭内暴力の中学生
母親にも暴力をふるうようになり、奴隷のように使い、
金品を要求するようになる
窓ガラスはすべて割られ、食器棚は倒され、
テーブルはひっくりかえり、昼食の中身が、床に散乱……
2.お母さんの話1
暴れるのは、どこかで本人も苦しんでいるからです
机の中に「死ね」と書かれたメモが入っていた
いじめで学校に行けなくなっても、学校に行きたい、と思っている
3.お母さんの話2
子どもは、いじめのこと、話したくても、話せなかった
夫は、まったく家のことは関知しない人。
気のせいだろう。ほっておけばそのうち治るよ
4.お父さんの話1
「てめー! ぶっ殺してやる!」「お父さん、外へ逃げて」
暴れる人、というのは、それ以前に、
何かの被害に遇っている人が多いんです
5.お父さんの話2
お父さんお母さんは、子どものことは、祖父母まかせだった
子どもは、おじいさんの奴隷になり、一人で耐えていた
6.おばあさんの話
あの子が、一番の犠牲者なんです。
あの子には悪いことをした……
7.その後
家のことをほったらかしで、子どものことも、
おじいさんにまかせきりで申し訳なかった
子どもは、少しずつ言うことを聞くようになり、
穏やかになっていきました
一年前の、あのボロボロの、傷だらけの家は、
きっと、あの子の心の中と同じだったと思います
8.子どもの心の成長は、依存と自立の繰り返し
身体の成長は、目で見て分かるが、心の成長は分からない。
具合が悪くても、すぐには気づかない
依存とは、「甘え」「従順」。自立とは、「反抗」「攻撃」ということです
自立した世界は、自由だけど、不安な世界。
子どもは安心を求め、依存に戻ってくる
9.依存と自立の行ったり来たりは、あくまで、子どものペースで
10.甘えない人が自立するのではなくて、
甘えた人が自立するのです
甘えるなというのは、傷口に塩を擦り込んでいるようなもの
11.心を育てるうえで、大切なことは、
依存と自立を、認めることだけ
子どもができることを、大人がやってしまったり、
「できるはずがないだろう」と否定し、抑えつけてしまわない
12.手のひらの中の卵は、きつく握りすぎると壊れてしまいます。
手をひろげすぎると、転がって地面に落ちて、
やはり壊れてしまいます。子どもの心も同じです
13.思春期には、依存と自立の行ったり来たりが、とても
激しくなり、依存の相手が、親から友達に変わっていきます
14.子どもたちの声
――ほったらかしと、かまいすぎ、に気をつけましょう
15.甘えについて1
――およそ、人間が生きていくうえで、甘えは、
絶対に必要なものです。決して、「甘えるな」などと言ってはいけない
甘えとは、相手の愛情を求めること
「甘えは良くない」という誤った考えがあると、親子や、
夫婦、友達、本来甘えていいところで、甘えなくなる。
その結果、甘えるべきでないところに、甘える人が増えている
16.甘えについて2
赤ちゃんの甘えは、泣く、ことで表現されます。
そんな時は、抱っこしたり、頭をなでたり、キスしたり、
微笑みかけたりして、安心感を与えてやります
子どもの甘えを、放ったらかしにすると、子どもの側に、
強い怒りを生むことになります
キレる子は、抑えつけるのでなく、懐に入って抱きしめてやる
抱っこしないことが続くと、赤ちゃんは、ある時から泣かなくなる。
手がかからないよい子ではないのです。
心のトラブルの始まりです
17.甘えについて3
十歳までは、徹底的に甘えさせる。
親離れしていく十歳以降は、十歳までの甘えが十分だと、
次第に甘えなくなってくる
子どもは、さまざまに裏切られ、傷つく。
そんな時に家に帰ってきたら、本当に助けを求めてきたら、
しっかり受け止めてやってほしい
嫁ぎ先で苦労続きで、泣いて帰ってきた時には、
まずは、しっかり話をきいてやる
甘えを完全に排除して、私たちは生きていくことができません
自分が、甘えることなんかとても許されなかったといっても、
孫の甘えまで、全面否定するのは間違っています
おまえたちは、幸せな時代に生まれたんだ、
存分に甘えたらいいよ
18.怒りは、それを与えた人に返す。
もらってうれしかったものだけを、人に渡す
我慢してしまうと、怒りは別のところに向きます
もらってうれしかったものだけを、人に渡しましょう
19.自立について1
子どもの目が輝く時
遊びやイタズラの過剰な規制や、禁止が、子どもの自立心を奪う
「子どもイタズラ村――遊酔亭」
子どもに無用のルールを押しつけて、子どもをしばり、
先回りして手を出すと、子どものやる気をそいでしまう
ペンキ塗りを言いつけられた、トム・ソーヤーの
仕事と遊びの関係について
大人が、もう一度遊び心をとりもどすこと。
それがそのまま、子どものやる気を育てることになる
20.自立について2
自分の意見を問われても、答えられず、
周囲の顔色ばかり見ている子がありますが……
自己主張がいっぱい、時には大笑いさせられる子どもの詩
21.自立について3
思春期に、子どもが反抗するのは、
ちゃんと育ててきた証拠で、喜ぶべきことです
自分で悩んで、考えて、成し遂げ、
子どもは、初めて自信を持つようになる
失敗しても、「ここまで、よくできたじゃないか。
ここまでできただけでも、立派だ。次は、きっと成功するよ」
と言われると、子どもは自信を回復する
22.子どもの権利条約
――一言で言うと、子どものペースで、
甘えたり、自立したりすることを、保障します、ということ
自己中心的になるのは、権利を認めたからではなく、
権利の使い方をきちんと教えていないからです
23.思春期の子どもにどう接していくか
あっちへ行け、こっちへ行け、と、いちいち指示しない。
手を引っ張らない。背中を無理に押さない
子どもが不安になって、後ろを振り返ったら、そこには、
ちゃんと親がいて、大丈夫だよ、とうなずいてくれる
24.子どものために、私たちができることは、「肩の力を抜く」こと
親が肩の力を抜くと、親が楽になります。
親が楽になると子どもも楽になります
25.一番、簡単で、でも大切なことは、話を聞いてやる、ということ
病気になったら、病院に連れていってやる。
本当に必要なものは、恩着せがましく言わずに、
ちゃんと買ってやる。子どもとの約束は、ちゃんと守る
子どもが何年かぶりに、助けを求めてきたことに対して、
親が真剣に対応すると、親子関係を修復する
きっかけになることがある
26.子どもが、精神的に疲れて、あるいは、我慢の限界を超えて、
何らかの心配な行動や、症状を出してくる時があります
こうなって、こういうことがあって、その結果、こうなった、
といういきさつを、一つのストーリーとして把握する
最も大事なのは、周囲の人が、本人のつらさに、
少しでも共感することができるようになることです
自分のせいで、この子をこんなにしてしまった。
その後ろめたさが強すぎると、完全に子どもの言いなりになり、
断らねばならない時でも、断れなくなります
すでに傷ついている子を、もうこれ以上、傷つけない。
すでに疲れている子どもを、これ以上、疲れさせない
言葉は、心を傷つける、最たるもの。
そして、相手の心に元気を与えるくすり。
くすりだから、作用も副作用もあります
傷ついている人や、疲れている人に、
「がんばれ」「甘えるな」などの毒性の強い言葉は、禁句です
27.不登校生の手記
不登校について迷ったら、「子どものことは、子どもに聞く」。
これに限ります
自分は、ただ、ゆっくり休みたかった。
「誰も自分をわかってくれない」
「俺は何をやってもダメだ」という気持ちだけがぐるぐる回る
「大検」というものを知り、
メールで何もかも語り合える人を見つけた
「あなたはすごく素直で、かわいい。好きだ」と、
メールを受け取った時、嫌いだった自分を一気に崩された
俺は、今、小さな幸せや喜びや楽しさを感じることができる
28.不登校の対応について
「行かないのではなくて、行けないのだ」といったん、
現実をきちんと受け止める必要
生きているだけで精一杯、とことん疲れている本人に、
「もっと」とか、「どうして」という言葉は、
本人が生きていることさえも否定する
親の深いため息さえも、この時期の子どもを打ちのめすには十分
「こんなに疲れ切っているのに、よくやってくれたね」
という気持ちが、この家にいていいんだ、という安心感を持たせる
子どもがこうなるのは、よくよくの事情が
あったんだ、と理解すること
親から受けた、過去のつらいことの話には、率直に謝り、
誤解があれば、「こういう意味で言ったのよ」と主張してください
「ここへ行った方がいいよ」と、指示、提案は、
第二段階でも親はしない
塾の先生だったり、友達だったり、彼女だったり、
親以外の人間関係を、いかに作っていくかが、大切なポイント
29.いじめについて
自分の悩むべきことを、しっかり悩みましょう、
他人が悩むべきことを、自分の方に取ってしまって、
自分だけが悩まないようにしましょう。
その人が悩むべきことは、その人に、しっかり悩んでもらいましょう
いじめは、学校での、子どもの安全に関わる問題。
学校が、真剣に取り組むべき最も重要な問題の一つです
事実は、きちんと認めさせる。決して言い逃れはさせない。
きちんと謝罪をさせる。それ以上は罰しない。
今まで以上に、目をかけてやる
いじめについての対応は、学校が、授業を一日や二日
つぶしてでも、やるべき価値のあることです
30.クラスの人間関係について
私たちは、決して、彼女を無視していない。
でも彼女はとても扱いにくい子。何でも中心でないと気がすまない
家でも、弟妹が、わがままばかり言っているが、
怒られるのは私ばかり
親に甘えたい気持ち、かまってもらえない怒りを、
すべて友人に向けていた
31.最後に
――親が子どものためにできること
夜中になると、人知れず泣く日々が続いた。そんな中、
高校に入った長男が、学校を休み始めた
不登校になりたくてなったのではない。
お母さんの支えにならなければと、精一杯背伸びをしてきて、
今になってその疲れが出てきたのだ
お母さんは、おまえのことが大好きだよ。
たとえ学校へ行けなくても、おまえは、とってもいい奴だよ
■こんなとき、どうすれば?
子どもに関するQ&A 15問も掲載
Q1:
子育てに、自信がありません
Q2:
子どもが、いちいち反抗し、困っています
Q3:
子どもを、方向づける適切な言い方は?
Q4:
友達のような親子関係の問題点は?
Q5:
不登校の子どもを見守る心得は?
Q6:
不登校の子どもは、将来、社会に出られるのか
Q7:
息子の会話能力を高めてやるには?
Q8:
父親の役割とは?
Q9:
子どもを、どこまで信じてやればいいのか
Q10:
人前に出るのが苦手で、学校も欠席しがちです
Q11:
子どもが苦しんでいるのに、何もしてやれません
Q12:
高校入試に落ちても、息子はショックを表しません
Q13:
近所に、心配な子どもがいるのですが……
Q14:
育ててくれた親を、恨む心があります……
Q15:
子育てで、これだけは忘れてはいけない、ということは?
あとがき
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