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1万年堂出版

はじめに

「言うことを聞かない子どもを、どう叱ったらいいでしょう」
「子どもの心に響く叱り方は?」
 よく、講演会などで質問を受けます。
 皆さん、子どもの叱り方に、相当悩んでおられるようです。

 ところが、ここで大切なことがあるのです。
 それは、「子どもの叱り方を学ぶ前に、まず、ほめ方を学ぶ必要がある」ということです。
 実は、ほめ方が上手になれば、それだけで、叱ることが減ってくるのです。
   先日も、あるお母さんが言っていました。
「子どもが、歯みがきできたことを、よくできたねってほめたら、次の日も自分からやっていたんです。
 びっくりするくらい素直でした。今までは、怒ってばかりいたので、子どもも機嫌が悪くて、やる気も出さないし、素直じゃないから、よけい叱っていました」
 ほめ方が上手になれば、叱り方も上手になります。そうすると、子育てが今までより、少し、ラクになるかもしれません。

「ほめる」とは、子どもを評価することではありません。
 子どものがんばり、成長を見つけて、その喜びを伝えていくことです。
「叱る」とは、子どもに腹を立てることではありません。
 子どもが、自分も他人も大切にできるように、1つずつ教えていくことです。

ほめ方、叱り方は、子育てに限りません。
 夫婦でも、学校でも、会社でも、相手をいかに上手にほめ、上手に注意するか、ということが、これほど大切になっている時代はないのではないかと思います。
 ほめ方、叱り方を見直すことで、この世の中が、子どもも大人も、「生まれてきてよかった」と思える社会になる、ささやかなきっかけになることを願ってやみません。


明橋大二

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