イギリスの絵本作家、ジェズ・オールバラの作品に『ぎゅっ』という題名の絵本があります。
森をお散歩していた、サルのジョジョ君。
動物の子どもたちが、お母さんに、抱っこされているのを見つけるたびに、「ぎゅっ」とうれしそうにさけびます。
ゾウさん、キリンさん、カバさん、みんな優しくお母さんに抱っこされています。
ところが、ジョジョ君、そのうちに、何だか元気がなくなってきます。
顔が、しだいにくもって、とうとう泣きだしてしまいます。
なぜでしょう。
そう、ジョジョ君は、お母さんが恋しくなってきたのです。みんなが抱っこされているのを見て、うらやましくなってきたのです。
その泣き声を聞きつけて、ジョジョ君のお母さんがやってきます。
お母さんを見つけたジョジョ君は、「ママー」とさけびます。
そして、いっぱい、お母さんに抱っこしてもらいます。
そのときの、ジョジョ君の、安心しきったうれしそうな顔!
ここには、子どもが、どういうときにさびしくなるか、悲しくなるか、そしてそれを癒やす、抱っこの偉大な力が描かれています。
平成17年12月に発刊された『子育てハッピーアドバイス』に届いた、非常に多くの愛読者カードを読んでいて(ありがとうございます。1通1通、大切に読ませていただいています)、いちばん驚いたのは、「抱き癖」をつけてはいけない、という迷信が、いまだに、若いお母さんの間で、根強く流布していることでした。
中には、「自分は、周囲から、抱き癖をつけてはいけないと言われ、子どもが泣いても、抱っこしないようにしていた。それで、自分自身も悲しい思いをしていた。ところが、この本を読んで、抱っこしてもいい、むしろいいことだと知り、これから心置きなく抱っこできると思うと、とてもうれしい」という感想もありました。
これに限らず、子育てに大切な知識が、今の親御さん方に必ずしも、正しく届いていない、という現実があります。
しかし、育児に奮闘しているお母さんに、なかなかゆっくり育児書を読む時間はありません。働き盛りで、毎日残業のお父さんにもなかなかそんな余裕はありません。しかし、そういう人こそが、実はいちばん、必要としているのも事実だと思います。
最も必要としている人に、最も必要な形で。そう願って、マンガ、イラストを多用した、『子育てハッピーアドバイス』の、この本は、続編になります。
前作にスペースの関係で入れることができなかった内容を、Q&Aの形で収録し、新たに、必要な内容を書き下ろしました。育児は、なかなか思うようにいかないものですが、一つのヒントとして、肩の力を抜いて読んでいただければと思います。
この本が、子育てに奮闘する、多くの親御さんに、安心と、自信を、少しでもお届けできたなら、これ以上うれしいことはありません。
明橋 大二
●はじめにより●